2013-02-27

女性への「期待」はレッドブルか?

今日はやたら「女性」についての記事を見かけた。
まあ全部東洋経済なんだけど、またもやいちいちコメントを書いていきたい。


78.6%「女性社員の意識」を挙げた人事担当者(東洋経済)


「女性社員の活躍を推進するうえでの課題」として、この項目を挙げた人が一番多かった、という記事。
男性(!)上司が、女性社員の活躍を推進するうえでの課題として挙げたのは、
「昇進や昇格することへの意欲が乏しい」(71.5%)
「難しい課題を出すと敬遠されやすい」(60.6%)
だったそうだ。


ふむ・・・・これ、男性社員について聞いてみたらどうなんだろうなあ、と思って元データを見ようとしたら、年間50万円だったのでやめたのであった。


その代わりに、こんなものを発見。

昇進意欲の男女比較(JILPT)


ふむ、48ページを見ると、確かに女性の方が出世の意欲は低く見える。
・・・・けど、これ、古来からの奥ゆかしさとか、育児があるしという気持ちとか、これまでの実績からどうせ無理と思い込んでて、遠慮してるだけなんじゃないの?という気がするな。


しかし、実力以上のことができます!って押しつけがましいアピールもどうかと思うので、上司の側にもちゃんと人を見る目があるか(評価するほどの実力があるか)、聞く態度になれるか、という問題があるように思うけど。
はい1本目ばっさり。次いってみましょー。


日産"ブラジル子連れ赴任ママ”、腹の決め方(東洋経済)

これはーーー!こんな素敵な経験をした方に対しては、もっといろいろ突っ込んでお話を聞きたいだろう!物足りない!

特に気になるのは、

・ブラジルに赴任するときに、なぜ夫と別居する、という判断をしたのか
・なぜ2人のお子さんが2人ともお母さんについて行ったのか
・両親には頼らないけど妹さんに頼る、という判断基準の理由

あたりだろうか。全部素朴な疑問なんですけど。

記事に、

どんなコワモテのキャリアウーマンが登場するかと、ひるんでしまう

と書いてあったけど、コワモテじゃなくても強い人は強いんだよなーと思った次第。

昨今の日本企業は、制度の充実もあり、子どもを育てながら働く社員が増え、もはや子育て中だからといって職場での特別扱いは難しくなっている。
復帰するからには「会社に貢献する覚悟を持つ」――。当たり前のことかもしれないが、そんな基本の心構えが最も重要だと、小林さんは気づかせてくれる。

「会社に貢献する覚悟」はいいと思うんだけど、具体的に覚悟を持って、何をすればいいのか?というところがこの記事には抜けているのかなー。
それが「時短をとらない」、ということにはならないと思う。
たとえば、この記事の中に出てきたように、上司に自分の状況を逐一報告したり、仕事を同僚とシェアしたり、というのは、現在の日本で、子供を持って働き続ける知恵みたいなものかな。
しかし、いずれにせよ、世の中や制度を強い人に合わせると、そうじゃない人は切り捨てられる、という視点は必要だと思う。

さらに、女性だけじゃなくて、男性だって、そこまでコワモテで強い(笑)マッチョな人っていないと思うので、「覚悟を決めて働けや!」っていう勇ましい掛け声よりも、やっぱりワークシェアリングとか、働き方のオプションが増えて、生き方の多様性が広がることの方が、21世紀的というか、豊かな生活だよなあと思うのであった。
これはゆとり教育的発言かしら?(笑)
はい2本目は以上。

「おやじ村の一員」になることが、出世につながる (東洋経済)

なんかこれを読んで、出世しなくてもいいやーとか思ってしまった(笑)
はっ、これが意欲のない女性社員なのだろうか・・・・!?

たしかに、社内での序列とか、派閥とかに気を配って、その中で出世したら、自分の責任範囲が広がって、仕事も楽しくなって・・・・というサイクルは出来上がるのかもしれない。

でも、そんなことにパワーを使ってまで、出世したいか?
(しかも、そんなことにパワーを使わせるくだらない会社で!)


・・・・という疑問が生じるのは、やはり、出産、育児、趣味とか、仕事以外のパワーを割きたいことが脳裏をよぎるからである。
この、脳裏をよぎる感じが、もしかしたら男性より、女性の方が多いのかもしれないなあ。
はい3本目終わり。

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東洋経済の主な読者はたぶん男性なので、
「おれたちはつらい仕事してるんだから、女たちもつらい思いをしろ」
みたいなノリが根底にあるのか、

「女性が強くなればいい、今の社会や制度に迎合しろ」

みたいな雰囲気を感じるラインナップだなあと思ったのであった。

しかし、これらの記事を、女性ライターの方たちが書かれてたりするんだよな。
もちろん、記事なのである程度の姿勢はつらなかなきゃいけないんだろうけど、ちょっと不思議だった。

最初の記事には、こうある。
この文章よくわからないけど、期待しているからこそ、意欲が足りないと感じるということだろうか。
だが、これは期待の裏返しとも考えられる。「女性社員の活躍推進がされている状態」については、「職位に関係なく女性社員の仕事に対するモチベーションが高いこと」との回答が67.9%で最も高かった。

「期待」とはレッドブルみたいなもので、ある程度だったら元気になるけど、飲みすぎると死んでしまう。
そんなものなのかなあと思った。



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