経済は感情で動く―― はじめての行動経済学 (マッテオ モッテルリーニ)
ちょっと前のベストセラーをやっと読んだ。
だいぶ前に買ってたんだけど、本棚の裏に鎮座されていたところを今回の引っ越しで発掘。
自分の所持品の棚卸のために、たまには引っ越しもいいものである。
(しばらくしたくないけどね!!)
こちらの本だけど、この前読んだ『スタンフォードの自分を変える教室』 に近いかもしれない。
「理屈で考えたらおかしな行動をなぜしてしまうのか?」というのを経済活動に当てはめて書いているけど、経済活動以外の日常生活にも適用できる内容がたくさん書いてあって楽しい。
本に載っていたいくつかの例の中で、一番目から鱗だったのはこちら。
『してしまったことを後悔するか、しなかったことを後悔するか』
本の中では、以下の通り、インフルエンザワクチンの例が挙げられている。
(前提条件)
あるインフルエンザの死亡率は、1万人に10人(0.1%)
(理屈で考えると)
・ワクチンの副作用による死亡率が0.1%より大きければ、ワクチンをする必要性はない
・ワクチンの副作用による死亡率が0.1%より小さければ、ワクチンは効果的
この医療が進んだご時世に、病気による死亡率よりもワクチンによる死亡率が高かったら、ワクチンとして存在しないと思うのだけど、それなのに、10人中6人が、インフルエンザの予防のために1歳の子供にワクチンを与えようとしない、と。
ここまでは理屈の世界。なぜこんな行動をとるかというと、「省略の誤り」という錯覚や、「後悔回避(regret aversion)」という人間の信念がそうさせているらしい。
後悔回避については、ものすごく納得できたので、本をそのまま引用すると、
うわーーーーーー。これなんかわかる。
先ほどの例に当てはめると、
・ワクチンを打たなかったら、そのままで死亡率は0.1%
・ワクチンを打ったら死亡率は0.1%より低くなるけど、自分がとった行動がその結果を引き起こすことが許せない
という差があるということですな。
ちょっと話がそれるけど、目から鱗つながりで、ワクチンを打たないことについては、先日読んだ高齢出産本にも書いてあって(参考:『オーバー30、出産を考える』)、この本の元ネタになっているサイトから引用すると、
確かに、自分の子供が病気にかかって死ななくても、そこが流行源になってしまう可能性だってある。さらに本から引用すると、
はーーー。ほんと、そうですよねえ・・・・反省。
わたしも、母がおそらくTVやら雑誌やらで入手してきた副作用の情報から、
「インフルエンザのワクチンは副作用が怖いから打たなくていいのよ」
とか言っていた人なので、このエラーに惑わされていた。
(他のは打ってるけど)
でも、日本はワクチン後進国で、費用もめちゃくちゃかかるらしいし、きっとわたしみたいに考えている人も多いと思うし、普及には時間がかかりそうだなあ。
はっ、なんだかワクチンの話がやたら長くなってしまったけど、わたしが強く思ったのは、
(1)冷静に考えてみたらとるべき選択肢を、そのままでは起きないことを、自分の行動が引き起こすかもしれない可能性にびくびくしすぎて回避するのはおかしい
(2)近い未来では「行動したことを悔やむ」、遠い未来では「行動しなかったことを悔やむ」らしいので、「やりたい」と思っていることは早くやるべき
ということであった。
ここで求められるのは、怪しい情報や主義の切れ端に惑わされない冷静さとか理屈っぽさなんだろうなー。
人間の脳が引き起こす錯覚は、ちゃんと計算してみたらだいぶ回避できたりもするんだけど、世の中の広告や、情報の切れ端は、その計算よりも先に、危機感をあおったり、脳の錯覚を活用したりしているんだろうな。
パニックとかもこれに近いのかもしれない。
これを読んでから、
「いいか、自分、このままだと子供産まなかったこと後悔するぞ・・・・」
と言い聞かせております。
人間は長期的にはやらなかったことを後悔する、そうなので。
あれだぞ、目の前の仕事や生活が大事でも、70歳になったらきっと「ああすればよかったこうすればよかった」っていうのが出てくるんだぞ。
忘れちゃだめだぞ。後悔先に立たずって!!
・・・・と最後は自分への叱咤激励になってしまった。
おつきあいありがとうございます。
ちょっと前のベストセラーをやっと読んだ。
だいぶ前に買ってたんだけど、本棚の裏に鎮座されていたところを今回の引っ越しで発掘。
自分の所持品の棚卸のために、たまには引っ越しもいいものである。
(しばらくしたくないけどね!!)
こちらの本だけど、この前読んだ『スタンフォードの自分を変える教室』 に近いかもしれない。
「理屈で考えたらおかしな行動をなぜしてしまうのか?」というのを経済活動に当てはめて書いているけど、経済活動以外の日常生活にも適用できる内容がたくさん書いてあって楽しい。
本に載っていたいくつかの例の中で、一番目から鱗だったのはこちら。
『してしまったことを後悔するか、しなかったことを後悔するか』
本の中では、以下の通り、インフルエンザワクチンの例が挙げられている。
(前提条件)
あるインフルエンザの死亡率は、1万人に10人(0.1%)
(理屈で考えると)
・ワクチンの副作用による死亡率が0.1%より大きければ、ワクチンをする必要性はない
・ワクチンの副作用による死亡率が0.1%より小さければ、ワクチンは効果的
この医療が進んだご時世に、病気による死亡率よりもワクチンによる死亡率が高かったら、ワクチンとして存在しないと思うのだけど、それなのに、10人中6人が、インフルエンザの予防のために1歳の子供にワクチンを与えようとしない、と。
ここまでは理屈の世界。なぜこんな行動をとるかというと、「省略の誤り」という錯覚や、「後悔回避(regret aversion)」という人間の信念がそうさせているらしい。
後悔回避については、ものすごく納得できたので、本をそのまま引用すると、
現在および将来における「後悔を嫌い、避けたい」という人間の信念が、意思決定に大きな影響を与えている。人は短期的には失敗した行為の方に強い後悔の念を覚えるが、長期的にはやらなかったことを悔やんで心を痛める
うわーーーーーー。これなんかわかる。
先ほどの例に当てはめると、
・ワクチンを打たなかったら、そのままで死亡率は0.1%
・ワクチンを打ったら死亡率は0.1%より低くなるけど、自分がとった行動がその結果を引き起こすことが許せない
という差があるということですな。
ちょっと話がそれるけど、目から鱗つながりで、ワクチンを打たないことについては、先日読んだ高齢出産本にも書いてあって(参考:『オーバー30、出産を考える』)、この本の元ネタになっているサイトから引用すると、
時々、ワクチンなんて必要ない、と受けさせない親がいるそうですが、ワクチンを受けさせてもらえなかった子が病気にかからずに済んだとしても、それはほとんどの子供がちゃんと打っているからで、ワクチンが不要であることとは全然ちがいます。ワクチンは受ける人のためであり、社会の流行を防ぐためであり、引いては次世代の子供のためです。
確かに、自分の子供が病気にかかって死ななくても、そこが流行源になってしまう可能性だってある。さらに本から引用すると、
今の日本ではよほど意識が高くリテラシーのある親のもとに生まれた子どもしか、ちゃんとワクチンを打ってもらえません。これは機会の不平等ではないでしょうか。
はーーー。ほんと、そうですよねえ・・・・反省。
わたしも、母がおそらくTVやら雑誌やらで入手してきた副作用の情報から、
「インフルエンザのワクチンは副作用が怖いから打たなくていいのよ」
とか言っていた人なので、このエラーに惑わされていた。
(他のは打ってるけど)
でも、日本はワクチン後進国で、費用もめちゃくちゃかかるらしいし、きっとわたしみたいに考えている人も多いと思うし、普及には時間がかかりそうだなあ。
はっ、なんだかワクチンの話がやたら長くなってしまったけど、わたしが強く思ったのは、
(1)冷静に考えてみたらとるべき選択肢を、そのままでは起きないことを、自分の行動が引き起こすかもしれない可能性にびくびくしすぎて回避するのはおかしい
(2)近い未来では「行動したことを悔やむ」、遠い未来では「行動しなかったことを悔やむ」らしいので、「やりたい」と思っていることは早くやるべき
ということであった。
ここで求められるのは、怪しい情報や主義の切れ端に惑わされない冷静さとか理屈っぽさなんだろうなー。
人間の脳が引き起こす錯覚は、ちゃんと計算してみたらだいぶ回避できたりもするんだけど、世の中の広告や、情報の切れ端は、その計算よりも先に、危機感をあおったり、脳の錯覚を活用したりしているんだろうな。
パニックとかもこれに近いのかもしれない。
これを読んでから、
「いいか、自分、このままだと子供産まなかったこと後悔するぞ・・・・」
と言い聞かせております。
人間は長期的にはやらなかったことを後悔する、そうなので。
あれだぞ、目の前の仕事や生活が大事でも、70歳になったらきっと「ああすればよかったこうすればよかった」っていうのが出てくるんだぞ。
忘れちゃだめだぞ。後悔先に立たずって!!
・・・・と最後は自分への叱咤激励になってしまった。
おつきあいありがとうございます。
刺さりましたーーー!!!
返信削除「いいか、自分、このままだと子供産まなかったこと後悔するぞ・・・・」
ほんと、そうかも。。。
タイムリミットが決まってる事なら、可能性に向けて努力する事は必要だよね。
遊びに行く事とか、楽しむ事場ばかり考えてる自分に反省。
ありがとう!
おお、さすが同年代、叱咤激励が波及した!
返信削除いやいや、しかしだな、前にも書いたけど、理屈だけで行動したり、自分を追い立てすぎたりしてたら人生つまんないし、ほどほどに!
・・・・とか、このゆるさがダメなのかもしれない(笑)