2013-09-25

ヤマザキマリさんがかっこいい!

ここのところ、ヤマザキマリさんのかっこよさにしびれまくっている。
ヤマザキさんは言わずと知れた『テルマエ・ロマエ』の作者である。夫がすすめてくれたこの本がまず面白かった。


これまで旅したり、暮らしたりした国のことがたくさん書いてあるだけでなく、ヤマザキさんの半生もたくさん出てくる。
その中に、さらっと、当時の彼氏だった詩人の子供を妊娠したんだけど、その人とは別れてシングルマザーとして、生活費を稼ぐためにマンガを描き始めた、という話が出てくる。

詩人…!?赤子を背負いながらイタリアからマンガ執筆…!?!?!?

現実派小説より奇なりを飛び越えて、想像を絶する経験である…いや、ほんと、すごい。言葉を失う。なんかアメリカの産休ってどうなるんだろうって不安になってるわたしの悩みとか、超些細なものに感じてくる。小物ですんません。

そんな経験をしたというのを読んでいたので、この対談のヤマザキさんの言葉は深く心に響いたのであった。ちょっと長いけど、ずどーんときた言葉を抜粋したい。

 とりマリの「当事者対談」
作者の「最後の味方」は誰なのだろう 作り手を蚊帳の外に追い出さないために(日経ビジネスオンライン)
自分が言うのもおかしいですけど、『テルマエ・ロマエ』というマンガは、誰にでも描けた漫画ではない。日本から遠く離れた海外で、お風呂に入れない生活を何十年も強いられながら、ヨーロッパや中東などの古代ローマ遺跡のある地域に実際に暮らしてきた、そんな諸々の素材があったから、描けた話なのだと感じています。
(中略)理詰めで考えているその背景には、シリアに暮らしながら、レバノン、ヨルダンといった中東の遺跡を見て回って、あんな砂漠の真っ只中にローマ人の風呂遺跡があったと驚愕した私がいる。そこまで風呂に固執したローマ人の風呂欲っていうのが一体何なのか、とか。ほかの人にとっては大して気になるような事ではなくても、なんせ私はお風呂に渇望しているわけですから。よってそれについてはどれだけ考えたことか。
わたしはこの部分を「自分の経験してきたことから得た着想を考え抜いて作品を作り上げた」と読み取った。
人のアイディアとか、残すものであったり、「作品」や「成果」と呼ばれたりするものって、それまでの経験の蓄積の上に、自分の考えたことが合わさって、成り立つものである。
もしかしたら、その経験と考えたことから得られたものを、どういう風に調理して仕事にするか、仕事をするか、ということが上手な人が一流、もしくはプロと呼ばれるのかもしれない。マンガ家みたいなアーティストだけでなくて、研究者の人や企業や組織で働いている人とかも当てはまるだろう。「気が利く」のひとことで片づけられてしまうことが多いけど、ものすごく適格に早く仕事を終わらせてくれる事務職の人や、専業主婦(夫)の仕事もそうだ。
経験だけだと昔話をするだけの人になっちゃいそうだし、考えだけだと頭でっかちになってしまいそうなので、両方ある姿がかっこいいなあと思うのである。

わたしは、「アメリカ来てよかったのかなー」とか、下手すると「この仕事しててよかったのかなー」とか、未だに考えてしまうことがある。しかし、自分が経験したことは、自分の生み出すものや、今後のいろんな出来事に対する判断基準の基盤になってくれるのかもしれない。
だから、何か新しくておもしろそうなことが登場したときは、思い切って飛び込むことは今後も続けていってもいいのかなと思った。まったく戦略的でもなく、効率的でもなさそうな、浮き沈みの激しいどきどきする人生になりそうではあるけど…
何でも思い通りにいって何が楽しいよ
俺が楽しいのは、俺の頭ん中よりスゲーことが起こった時だよ
ですよねーーーー!!
…ということで、まったく違うジャンルだけど、同じように最近ずどーんと来たマンガをもうひとつ。

ジャイアントキリング!
以前読んだ、『地方にこもる若者たち』に紹介されてて気になったので読み始めたんだけど、おもしろすぎて止まらなかった…(過去記事『今、日本の地方都市がアツイ』)
登場人物がそれぞれ苦悩しながらも成長していく姿だったり、周囲の人たちがどんどんつながっていく様子だったりがテンポよく描かれているところや、変な根性論ではなくて「楽しんで、考えて、結果を出すこと」が根底にあるのがとてもよい。
その昔、スラムダンクにはまった人には超おすすめ。ネットに出ている名言集だけ読むとちょっとなんか暑苦しくて魅力半減なので、ぜひ1巻だけでもお試しあれ。
…え?わたし?最新巻(28巻)まで読んでますよ。

本当に電子書籍って、ITは人々を豊かにするといういい実例だと思う。ITでつながる世界、バンザイ!

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