2013-07-21

ミツワ初上陸、「日系」スーパーはこれからどうなる?

ミツワ。それはニューヨーク在住の日本人なら誰でも耳にしたことのある日系スーパーである。ニューヨークのスーパー事情をひたすらブログにまとめて(これとかこれ)電子書籍にまでしたくせに(これ)、ミツワ行ったことないなんてもぐりだよね、ということで行ってきた。
マンハッタンから行くにはポートオーソリティーからのシャトルバスを使う。水曜日、木曜日以外は片道3ドル。どうやら他のバスよりもお手頃なせいか、地元の人の足としても使われているようである。
25分ほどで到着!
外観はよくあるアメリカ的な四角い建物…なんだけど、「九州沖縄物産展」とかでかでかと出ている。残念ながら今週の中盤からだったが、店内ではすでに準備が始まっていた。

この中はどれだけ日本人だらけなのか!とわくわくしながら店内へ。
いきなり目に入ってきたのは混みまくりのフードコート。おなかも空いていたのでさっそくお昼ご飯を食べることにした。
あの山頭火があるというのも日本人社会では有名。しかしお昼ちょっと前にも関わらずお店の前には長蛇の列で、並ぶのがめんどくさい。その横にあった茅場という名前のお店でうどんとかつ丼のセットを頼んだ。8ドルくらいで超お得である。ニューヨークじゃ考えられない値段だねえと夫と感動した。
「当店のかつ丼はひと味違います!」みたいなことが書いてあったのでちょっと期待してたんだけど、うん、まあ普通だった。値段なりである。夫が頼んでいた天丼はそこそこおいしかったので選択を間違えたかもしれない。
フードコートには、中国語やスペイン語を話している家族連れっぽい人数の多いグループが多くて、日本人があまり見当たらない。お手頃だから近所の人たちが買い物はしないけどごはんだけ食べにきているのかなあと推測。

本館を見る前に離れというか向かいの建物へ。大きな三省堂書店があった。
東京にいた頃、一番好きな本屋さんは神保町の三省堂だったよ…ということを思い出してホームシック再燃。マンハッタンの紀伊国屋より見やすい陳列をしてある気がするけど、商品の絞り込みがうまいのだろうか。一番奥にはなつかしい日本の文房具もたくさん売っていたけど、来月一時帰国するのでとりあえず見なかったことにする。

その他この離れには陶器を売っているお店やおもちゃ屋さんも入っていたのだけど、なんだろう、雰囲気が懐かしいのである。プラモデル系の箱が積み上がっていたし、奥まったところには日本人形とか売ってたし、「わたしたちが子供の頃のおもちゃ屋さんっぽいね」という意見で夫と一致。今思えばテレビゲーム類が置いていなかったかもしれない。お店の中にはお客さんより店員さんが多いくらいの静かさで、日本の地方を彷彿とさせる。
離れの一番はじっこのスペースは空いていて、テナントを募集していた。

さてやっと本館へ。
マンハッタン在住のわたしたち、ニュージャージーは道も広いし勝手にミツワは奥が見えないくらい大きいんじゃないかな!?と想像していたのであるが、そうでもない。向こう側が見渡せないくらい広いなんてこともなく、日本の地方のスーパーくらいの大きさである。都内でもこのくらいの大きさの西友とかあるよねというくらい。イオンモールほどは大きくないと思う。
で、フードコートの混みっぷりはなんだったのか、スーパーはそこまでごみごみしていない。試食をくばる人がたくさんいるんだけど、飛ぶようになくなるなんてことはなさそうで、店員さんたちが呼び込みをしていた。
前に友達から「日本よりも種類が多い!」と聞いていた納豆売り場。
確かにこの充実度はすごいかもしれないけど、都内でスーパー選びたい放題の場所に住んでいたわたしとしてはそこまでの感動はなく…すまん友人。結局買わなかった。
ところで、ミツワのある場所には、こんな不思議な法律があるそうだ。

「電化製品は郡の法律により日曜日の販売はできません。」
へー。これおもしろい。「Blue Law」というのは日曜日をお休みと課す法律だそうで、おそらくキリスト教の名残なのであるが、アメリカ国内でもそこまで多くの場所で残っているわけでもないようである。


このミツワの近隣のBergen countyでは、日曜日の電化製品や洋服、家具の販売が禁止されている。このBlue Lawさん、去年のハリケーンの時には1週間だけ特別措置がとられたようだけど、その後見事復活を果たしたそうだ。
しかしさーーー、ヨーロッパみたいにお店ごと休みってわけじゃないと、開いててお客さん来るんだし、レジの人は働いてるんだし意味ないよね…と激しくつっこみたくなる気もする。


あ、もうつっこまれているようである。税収を上げるためには日曜日の営業を許可するというのは手っ取り早いだろうし。
ということで、電化製品売り場はきちんと見られなかったのだけど、テスコムの割とお手頃なキッチン用品とかもあるので必要な人はいいかもしれない。

最終的にネギとかちょっと懐かしい細長いナスとかカルピスとか、日本を思わせるその辺の食材を買って帰ったのであった。スーパー研究家のわたし観察によると、野菜の価格はもしかしたらダイノブに軍配が上がりそうではあるが、せっかく来たし何も買わないで帰るのも悔しい。レジもそこまで混んでなくて快適と言えば快適な買い物体験であった。塩辛とかイカの一夜干しとかは魅力的だったけど、暑いのでちょっと怖くてやめてしまった。次行くとしたら保冷バッグを持って行くかも。

しかし、なんと言えばいいのだろうか。わたしの想像の中でミツワはなんでもある巨大なサンクチュアリと化していたので、想像を盛り上げすぎて、がっかりした感がある。売り場面積が広いからアドバンテージのありそうなのに、マンハッタンのサンライズマートとかダイノブとそこまで変わらない品揃えのような気がしてしまう。
期待していた化粧品とか日用品売り場にも、わたしがすごく欲していた汗拭きシートが見つからない。日本だとどのドラッグストアでも入口近くに置いてあるのに。お徳用サイズも出ちゃうくらいなのに。なんで男性向けのギャツビーの顔拭きはあるのに女性向けの汗拭きシートはないんだろう?ニューヨークで働く日本人女性は汗かかないんですか?
日本であれだけ支持を得ている(と勝手に思い込んでいる)商品がないとなると、せっかく広いのに、サンライズマートやダイノブと同じ仕入れ元の同じカタログから買ってますね?という深読みをしてしまう。需要を無視しているのは仕入れ元なのかそれとも買う方なのか。あ、汗拭きシートくらいで騒いですみません。ともあれ、マンハッタンからわくわくした気持ちで来るお客さんに対する差別化ができていないように感じた。その差別化のできてない感じが、時間が止まったかのように古さというか哀愁というか、「海外での日系スーパー」の衰退を予期させるのであった。

日系の食べ物に関して言えば、和食の人気の高まりとともに少し大きめのスーパーに行けば簡単に見つかるので、ミツワができた時代とは和食材のレア度が変わってきているというのもあるだろう。
また、以前の日本人よりも今の日本人はいろいろなものを食べて育ってきているから、「焼き魚食べないと1日が始まらない!」「お酒のおつまみには絶対枝豆と塩辛」という昔の人たちのこだわりは、「今日の朝はパンでもいいや」「お酒にはチーズでもいいや」という嗜好に置き換え可能だったりして、昔からの蓄積による食へのこだわりというか欲求も変わってきているだろうし、ゼロにはならないだろうけど需要そのものが減って行く恐れもある。
おそらく、だからミツワは日系スーパーとしてこちらの現地の人たちが食べられないような納豆とかで日本人を呼び込んでいるのだろうけど、もっと食が多様化して、日本人の和食依存度が下がったらこういうお店は何を売りにするんだろうなあというのを考えると面白い。日本人に限らず和食大好きな人たちを呼び込むか、「どうしてもこれだけは!」というものを高値で売るか。
…と、ここまで勝手に妄想してしまいました。

帰りのシャトルバスの乗客の中で日本人はわたしたちだけだった。
とりあえずもう1回くらいはちゃんと観察するために行くかも。でも往復1時間以上は遠いので涼しくなってからにしようと思う。

(2015/2/17追記)

ありゃりゃ、ミツワのシャトルバス、2014年末でなくなったようです。

3 件のコメント:

  1. ミツワに行かれたんですね。

    20年前にアメリカに来たときは、ヤオハンだったんだけど。当時はすごい日本って感じで、近年またちょっとだけかわって、日本って感じがしましたが、10年ぐらい前アジア色がすごく濃くなったときもありました。日本的でなかったときもありましたね。

    ここ1年半ほどご無沙汰してますが、最近は日本のミニスーパーが増えて便利だし、ずいぶんアジアマーケットも増えたので、ミツワに行かなくても結構物をそろうことができるので、車で行くと橋の通行料を考えるとなかなかいけません・・・。

    わが家は基本的にアメリカ料理の家なのですが、行ったら行ったで大量に買ってしまって・・・。
    不経済になってしまいますが。

    また久しぶりに行ってみようかなぁ・・・。と思いました。

    MISSY

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  2. MISSYさん、こんにちは!
    昔はヤオハンだった、ってそういえば誰かに聞いたような。お店の中がいろいろ変わってきているっていうの面白いです。試行錯誤してるんですね!
    ほんと、近所にも日系じゃなくてもアジアマーケットがあるので、あえてここに行く必要がない、というのがわたしの感想でしたー。なので、久しぶりに行かれたら、やっぱり通行量もあるし不経済かもなって思ってしまうような気がします。お気をつけて(笑)

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  3. うささん>

    不経済にならないように、買い物前にフードコートでご飯食べてから買い物すると、食べないで買い物するより半分ぐらいで済みます。(爆笑)
    やっぱり空腹でスーパーで買い物するのは良くないですね。不必要なもの一杯買っちゃいます。


    最近はうちは近所に「サクラ屋」がありますし・・。車でHMartですかねぇ・・・。
    昔はサンライズマートができた当初はイーストビレッジに住んでました。
    サンライズマートできて、おお~!って感じでした。

    サンライズが出来る前はホントに、日本食を買いたいならヤオハンに行くか片桐に行くか、妥協してチャイナタウンで買い物か?という感じで・・・。車も無かったのでヤオハンにシャトルで行っては、感動したものです。(特に薄切りのお肉とかに。)

    でも、ホント、マンハッタンもアジア化がすすんでますね。
    以前住んでたイーストヴィレッジのアパートメントからすぐの角にもアジアマーケットあるし。NYUの生徒がアジア人が多いからかしら?

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