2014-01-26

寒いのでKindle+角川セールをお供に引きこもり

美しくない冬の嵐の残滓、みたいな写真ですみません。

ここのところ、ニューヨークは最低気温がマイナス12,3度(摂氏)、最高気温がマイナス5度、みたいな日が続いている。
長く住んでいる人に言わせると、ここ数年では一番寒いらしい。
わたしは割と寒さに強いと自負しているのだけど、マイナス10度を下回ると耳が冷たくなるのがつらい。ニット帽とかコートのフードとか、おしゃれのためじゃないんだなあ、というのを再確認する。

このくらい寒いと、おうちでごろごろしながらの読書がはかどる。
幸か不幸か、今、日本のAmazonでは角川のKindle本の70%オフセールをやっているという話を小耳にはさみ、巡回を行った。

…巡回の結果、まんまと30冊くらい購入してしまった。
気づいたら角川じゃない本もあるんですけど!?とりあえず角川で読んで面白かった本をいくつかご紹介。

 
月魚 (角川文庫)(三浦しをん)
この方の本はとにかく描写がきれいで大好き。
空気感というか、その場所の雰囲気がにおいや温度も伝わって来るような繊細な表現が読んでて「おおっ、こういう場面をそういう文章で表現するかー!」という発見がたくさんある。
古本業を営むふたりの物語で、本好きには古本屋さんの商売ってこうやって成り立ってたんだーという面白さもあった。

 
うおー懐かしい。ということで、昔読んだにも関わらず購入。
史実と噂話がごっちゃになったような印象は受けるものの、昔のヨーロッパのお姫様たちの生活が垣間見ることができて楽しい。

 
これは本当に止まらなかった。
失敗を乗り越えて、本当の暦を求めようとする主人公のだいぶ長い時間の物語なんだけど、わくわくしながら読み進められる。
映画は見ていないが、夫曰く、ちょっと話が違うそうだ。もちろん、小説の方が細部にわたって描かれている。

ちなみに以前も書いたけれど、Kindle Paperwhiteのアメリカ版の容量は2GBなんだけど、日本版の容量は4Gなので、これから買われる方でもしアメリカ版と日本版を選べる環境にいる方は、迷わず日本版を買うことをおすすめする。
アメリカ版より安いし。いいなあ…

 
KindleはiOSでもAndroidでもアプリが出ているけど、やっぱり専用端末の読みやすさは群を抜いているので、本好きは持ってて損はない。
日本だと1万円切ってるし。いいなあ…(こればっかり)

あと、Kindleのケースがいまいちかわいくない!とお悩みのあなた。Etsyで探してみてはどうでしょう。

ざっとKindle Paperwhite caseで検索したところ、かなりたくさん出てきたので、お気に入りが見つかるかも。
わたしはマニアックなスマホのケースもここでお気に入りを発見した。

ところで、わたしはKindle Paperwhiteを11月の頭に手に入れたのだけど(参照)、そこから3ヶ月弱で約100冊本を買ったらしい。
3ヶ月弱で100冊…
よく、AmazonはKindleを赤字で販売しているという記事を見るけれど、これだけ買ってくれるようになったら御の字なのかもしれない。
ということで、ご利用は計画的に。

2014-01-20

ちょっと待て!その発言はイエローカード

日本でANAのCMが批判を受けて中止になったらしい。

全日空:差別批判でCM取りやめ 金髪に高い鼻(毎日新聞)

このニュースを見て、次はどこの企業だろうなあ…と空恐ろしい気持ちになった。
同じようなことが起きるんだろうなあ、と思うのは以下の3点からである。

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1. 日本の「トップ」は似通っている
政治家だろうが、公務員だろうが、会社員だろうが、おそらく日本の9割くらいの組織の上の方の人たち(トップ)の属性は似通っていると思っている。
だいたい50代以上、日本人男性、同じような大学出身で、おうちは都内近郊、既婚で奥さん専業主婦、子供が何人か…こんな感じじゃないだろうか。
同じ層で彼らの属性はものすごい多数派であり、それがゆえに物事を見るときにどうしても抜けてしまう側面が出てくる。

2. トップに物を言える文化がない
トップの人がが何かおかしなことを言ったとする。
それに対して物を言える人っていうのはものすごく限られているように感じる。だいたいおかしいなあと思ってもその場では飲み込んで、その人がいない場所に戻ってから「あれはおかしいよねー」と仲間うちでぐちぐち言うのである。
トップ側にはあまり聞く耳を持っている人はいないし(この現象、なぜなんだろう…)、下の人たちも保身に走って意見をするのをためらう。
嗚呼、終身雇用&年功序列の弊害よ…

3. CMを作る人たちでのチェックは難しい?
その業界に詳しくないので違っていたら指摘してほしいのだけど、CMを作る人たちがこういう問題になりそうな企画をつぶす、というのもなかなか難しそうである。
企業が払ってくれる広告費(予算)が少ないから人も少なくて、ひとりあたりの仕事量は多い。早く片付けたい。ちょっと何か疑問に残るところがあっても、クライアントがいいって言ったから終わらせよう。
…書いていて思ったけれど、これは人の数に対して仕事が多い場所すべてに言えそうな気がする。

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この出来事があって、つい最近、某日系企業のトップの方の話を聞いていた時のことを思い出した。
そのトップの方はアメリカ在住期間が長いのだけど、それにも関わらずとにかく「それ危ない!」と思う発言の連続だった。
ぼやかしているのでちょっとわかりづらいかもしれないけれど、こんな感じである。

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1. 人種に関する発言
「白人はみんな○○している。それ以外の人はいない」
「ヒスパニック系や、インド系の人は○○だ」

2. 性別に関する発言
「(お料理系のサービスを指して)女性はこういうの喜ぶでしょう」
「(女性ばっかりのチームを指して)あのチームはアマゾネス軍団」

3. 職業に関する発言
「弁護士や金融系につとめている人は○○している」
「ガソリンスタンドで働いている人は○○だ」

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や、やめてーーーー!
これらの発言をそのまま記事に書かれたりしたら、この人どころか、この企業がまるごと大変なことになるんじゃないだろうか。
ちなみに一緒にいたアメリカ人同僚におそるおそる聞いたところ、
「人によってはものすごく怒るから、危ない…」
という反応だった。彼女は怒っていなかったけど。

在米が長い方なので、おそらく差別についての「知識」は皆無ではないと思われる。
しかし、知識が知識の域を出ず、自分の考えと融合した行動になっていないのだ。

こういう人たちは日本の(古い)慣習の中での判断基準では、大事に大事にされてきたから、そこまで考えが及ばないのだと思う。
そして、「結局世の中は白人至上主義だ」というような発言をしたりする。
日本のヒエラルキーの中ではピラミッドの上にいたのに、アメリカではそうじゃないと感じるからなのだろうか。よくわからない。

大事に大事にされてきた日本人のトップの人たちには間違いを指摘してくれる人が少なすぎるのかもしれないが、かくいうわたしも、もし自分の上司に同じようなことがあったとしたら、うまく指摘できるか少し不安である。
ぶっちゃけ、人による。聞いてくれそうな人なら言うけど、そうでなければ疲れるので言いたくない。年下の話、女の話なんて、と聞いてくれない人が未だにこの世の中には存在するのである。そのことに気づいたのは結構最近、昨年のことだった…

内部で指摘が無理だとしたら、もう、外部の専門家に頼るしかないのだろうか。
これからの時代、「グローバル化対応PRコンサルタント」とかいう仕事、はやりそうだな。
でもコンサルタントは高いので、どうか日本のトップの方たちには、ちょっと自分と違う人たちの話に耳を傾けてもらいたいと思う。


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ところで、このCM中止についてのインターネット民の反応がまたちょっと恐ろしい。

【炎上】取りやめたANAの苦情CM動画_羽田国際線大増便、西島秀俊、バカリズム

だ、だめだ真に受けちゃ…と自分に言い聞かせる次第である。


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今日の記事に関係するこれまでの記事はこちら。
オールドボーイズネットワークとエイリアンのわたし
「グローバル化」とか言ってるからつまずくのです


2014-01-18

「日本はできちゃった婚が多い気がする」とアメリカ人女子に言われた話

先日、
「狙い通りできちゃった婚することになった」
という友人の話を少し書いたが(参照)、この話をアメリカ人女子にしたところ、
「日本って、できちゃった婚多い気がする」
と言われた。

この発言、ちょっと意外だったのだけど、確かに日本人以外の友達から「できちゃった婚しまーす」というのは聞いたことがないなあという気もする。友達少ない、個人の経験の話なのであてにならないのだが。

ちょっと調べてみたら、こんなニュースが出ていた。

As cohabitation gains favor, shotgun weddings fade (AP)

この記事によると、アメリカの結婚していないカップルに子供ができた場合、
・18.1%が同棲する
・5.3%が結婚する
らしい。(分母がよくわからないのだが)
ふむ、確かに日本だと子供ができても同棲のまま通すカップルは少ない。

なんで日本はできちゃった婚が多いのだろうなあ、と考える中で思い出したのが、だいぶ前に読んで、感想を書きたいなあと思っていたこの本。

(多くの人に読んでもらいたいので、どうかKindle版お願いします…)

この本の中に、
英語は「〜する言語」で、日本語は「〜なる言語」と言われています。
という一節が出て来る。
初めて聞いた言葉だったのであるが、以下の例文と解説を読んで、確かにわたしの日本人的感覚の中にも、そういう気持ちがあるかもなあという気がしたのであった。

(1)今度、結婚することになりました。
(2)We are getting married. (私たち結婚します。)

日本語では、上の(1)のような、なんとなく、なりゆきでそうなったかのような言い方が好まれるのに対して、英語では(2)のように、誰が、何をするのかをはっきりと表します。

「なりゆきでそうなったかのような言い方が好まれる」ということだけど、これは言い方だけじゃなくて、行動にも通じるのではないだろうか?
そして、できちゃった婚が多いように感じられるのは、「なりゆきでこうなった」を好む姿勢のあらわれのひとつなんじゃないだろうかと思ったのだ。

カップルに子供ができるというのは、一部は自分の行為の結果なのだけど、それでもやはり運や、自分でコントロールできないものが大きく作用する、「授かりもの」である。
さらに今は少子高齢社会で「授かりもの(=子供)」のありがたさは社会的に広く認められていて、世の中の判断基準における優先順位は相当高い。まさに子は宝、子供様々である。(保育園問題とかはちょっと置いておいて)

そのありがたい授かりものは「なりゆき」に流される、「不可抗力」だったり「必然性」にぴったりである。
「なりゆき」に流されることが悪いと言いたいわけではない。(「狙い通りできちゃった婚」というなりゆきを作るのは大変そうだし…)
おそらく、できちゃった婚が少ない社会というのは、社会制度とか、慣例とか、そういうものも手伝って、子供というきっかけが結婚するという「なりゆき」を作らない社会なのかもしれない。さらにもしかしたら「なりゆき」という概念すらないのかもなあとも思えるのだ。

「なりゆき」でするのは、別に結婚だけじゃない。
受験とか就職活動、仕事のやり方、人間関係にもどこか通じるものがある気がする。自分のできることをできる範囲でやって、想定内の結果を得るのはなりゆきまかせだ。
(ああ、全部自分に突き刺さる…)

逆に言うと、流される「なりゆき」がない場合や、流されたくない場合は、自分で何か行動をしなければいけなくて、これはけっこう疲れる。
なんで疲れるかって、自分の判断基準に毎回きちんと向き合わなければいけないし、努力を要する場合も多いからだ。
もちろんわたしは努力至上主義とかではないので、人生おもしろければなんでもいいかもなーと思っている。

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ちなみに英語でできちゃった婚は「shotgun wedding/marriage」と言う。
妊娠させた男性に対して、女性のお父さんがショットガンを向けて結婚を迫った、という逸話からつけられた言葉だそうだ。

決して下ネタ的発想から来ている言葉ではないらしい…なんてことを確認して、さらにここに注意書きとして書いてしまうわたしの思考回路が恥ずかしいのであった。

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(2014/1/20追記)
ちょうど関係するような記事を見つけたので、載せておきます。
中国では未婚の母は最後のタブー、とのこと。

For Chinese women, unmarried motherhood remains the final taboo(The Guardian)

法律で1997年まで禁止されていた、っていうのがすごいな…

2014-01-17

ネイティブ女子との会話から考えるアメリカの少子化(の予感)

最近、日本の知人友人親戚が出産ラッシュである。
先日もある友人から「狙い通りできちゃった婚することになった」という連絡が来たのであった。
この、「狙い通りできちゃった婚」だけど、30代半ばくらいの女性から非常によく聞く台詞である。
世の中のみなさんの夢やらなんやらを壊したくないのでここではあまり触れないでおく。もう十分触れちゃった気もするが。

ところで皆さんご存知だろうか。アメリカでは少子化が一般的な問題にはなっていない。
日本では、誰も彼もが「少子高齢化」を毎日のように見聞きするだろう。学校のクラスが減ったりというので体験している人もいるかもしれない。老若男女とまでは言わないけれど、割と誰でも日本の問題点として知っていることである。

対して、アメリカではそこまで一般の人に浸透していない、というのが正しい言い方になるだろうか。
そう感じたのはある日、アメリカ人の子に、
「少子高齢化社会、ってなんて英語にすればいいかねえ?」
と聞いたときのことだった。彼女はやや考えて、
「aging societyかなあ。でもアメリカではあまり使わない」
と答えたのであった。もうひとりのアメリカ人女子も、その意見に同意した。

その子たちによると、アメリカは今でも人口が増えているらしい。よく考えてみると、世界の人口は減るどころか爆発的に増えているのでそんなに不思議に思うことでもないのだけど、その当時アメリカに来て2ヶ月程度だったわたしは、「先進国で少子高齢化に悩んでないのかー」と鮮烈な印象を受けたのであった。

世界中のいろんなデータを見せてくれる素晴らしいGoogle先生のサイトがあったので、そこから人口増加率を持ってきてみた。
(このサイト。数字好きは1日ここでにやにやできるのでおすすめ。危険とも言える…)

【人口増加率】


【出生率(女性ひとりあたりの出産数)】


日本では、「フランスの女性はすごいよ!子供めっちゃ生んでるんだよ!」とよく引き合いに出されている気がするが、そのフランスをしのぐ人口増加率のアメリカさんである。参考に身近な韓国も入れてみた。
この人口増加率(+出生率)の高さは増え続ける移民と、その移民が子供をアメリカで生むことだと言われているようだ。

ということで、今のところアメリカの世間一般は日本ほど真剣に「人口減るかも」みたいなことを考えていないようなのであるが、ここのところ、前述のアメリカ人女子ふたりと話していて、「このままじゃ日本の後を追って、少子高齢化社会になるんじゃないかなあ」という気がしてきた。

そのアメリカ人女子は、ふたりともまじめで、とても頭が良くて、自分の意見をきちんと持っている。
それでいてばりばり前のめりな「意識高い系」というわけでもなく、かといって女を武器にする感じでもないし、優しいし、いい意味で遠慮がちだったりするし、いわゆるアメリカの最近の若者「ミレニアル世代」(過去記事)なのかもしれない。体温高めで冷え性知らずだけど意識低めなわたしが一緒にいて心地よいゆるさである。

前置きが長くなったが、そんなふたりが口を揃えて、
「結婚はしたいかもしれないけど、子供は興味ない」
と言ったのである。
これにはびっくりした。
わたしの友人知人には「子供いらない」と明言する人がいなかったからである。
それどころか「狙い通りできちゃった婚」みたいに、子供ほしさに結婚していると言っても過言ではない人たちがたくさんいるのに。

彼女たちの子供に興味がないという理由は一致していた。
「お母さんが本当に大変だった、つらかった、と言っているから」
彼女たちのお母さんは、「大変だった」という面を強調して、「生まなくていいよ」とまで言っているようである。

たしかに、アメリカの…というか、ニューヨークの子育ては、わずかに聞き及んでいる限りではとても大変だ。

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(1)産休が無給
まず、ニューヨーク州はお給料が出る産休がない。(ここここを読むと、カリフォルニアからニュージャージー州まではあるっぽい)
これは、お給料が出る産休制度をもうけると、起業が損をすることをいやがって、女性を雇用しなくなるんじゃないかという雇用機会の差別をなくすため、というのをどこかで読んだ。う、うーん…行き過ぎた市場原理主義怖い。

(2)子供を預ける費用が高い
お給料が出ないから働かなきゃいけないので、子供を預けると、1ヶ月余裕で1000ドル(10万円)くらいする。ここの記事によるとニューヨークでは平均年間14939ドル(149万円)だそうだ。
同じ記事によると、ナニーさんは1時間12.75ドル〜19.25ドルとのこと。1ヶ月で計算すると…ああ、血の気が引く。

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これらの事実に、若年層のお給料が押さえられているとか、教育ローンが重くのしかかっているだとか、ニューヨークの物価がどんどん上がっているだとか、その辺の話も加わって、とにかく働き続けなきゃいけないし、趣味は楽しいし、「ちょっと子供のことまで考えられません」みたいな状態になるのではないだろうか。

彼女たちは、わたしより、ずっと「個人」で社会を生きている。
自分の感覚に忠実になっている。子供がいても、いなくても、自分は自分。
その姿勢はかっこいいなあと思うんだけど、こういう人が増えていったとしたら、絶対少子化は進むだろうなあ、という予感がするのであった。
もしかしたら、気の毒なくらい現実的とも言える。これは日本の若者に通じるものがあるのかもしれない。

ちなみに、一般の人は意識してなくても、アメリカの少子化はやっぱりじわじわ話題になってきているようなので、参考までに関係する記事を貼っておきます。

U.S. population growth slows to just 0.71%
What's Driving the Decline in U.S. Population Growth?
Pregnancy Rates for U.S. Women Continue to Drop

彼女たちとの会話を通して、日本で「生まなくてもいいよ。生むのも生まないのも自由」と言える人がどれだけいるのだろうか、と感じたのであった。

あ、うちのお母さん…。
そしてこの「どう生きるのも自由」という大原則のもと、確固たる自分がない、ふらふらした娘が育ったのでした…。


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(2014/1/24 追記)
この記事を書いてから、関係する話題がWall Street Journalに出ていたのでご紹介。

More Women Seeking Medical Help to Get Pregnant

25歳から44歳の女性の12.5%が妊娠のために医療措置を受けたことがある、という調査結果で、その割合は以前の調査より増えているとのこと。
やっぱりじわじわ少子化きてるんじゃない??

2014-01-12

ニューヨークの3空港への交通手段比較…答えはまだない

ニューヨークには国内線メインのラガーディア空港、国際線メインのJFK空港、ニューアーク空港と3つ空港がある。
わたしは平均して月1回くらい飛行機を使うのであるが、未だにどういう方法で空港へ行くのが一番いいのか?という問いに答えを出せていない。
どの空港もバラエティーに富んだ不安定さなのである。
ということで、今日は各空港への交通手段の比較を書いてみたいと思う。

  • ラガーディア空港
    • 路線バス:
      • 費用◎、時間×
      • 公共交通機関は路線バスのみ(電車は途中でバスに乗り換える必要あり)。マンハッタン北部の125stでバスに乗れるのだが、大した距離じゃないのに1時間近くかかる。道路の混雑とただの路線バスなので乗り込んでくる人が多いことが原因。2.5ドルだけど、地下鉄で125stまで行く時間も考えるとちょっと使えない。一応24時間運行。
    • タクシー:
      • 費用×、時間◎
      • 定額料金なし。大体チップ込みでミッドタウンまで50ドルくらいかかるが、前にキャッシュで30ドルにしてくれた運転手さんがいた。空いてればミッドタウンから30分くらい、混雑する時間帯は50分くらい見ておいた方がいい。
    • シャトルバス:
      • 費用○、時間○
      • コスト、時間を考慮するとポートオーソリティー・ブライアントパーク・グランドセントラルを経由して空港に向かうシャトルバス(公式サイト)が一番いい。片道13ドル、往復割引で23ドル。15〜20分に1本くらいあるという話だけど、まあ…運である。所要時間はポートオーソリティーから空いていれば45分くらいだろうか。24時間運行ではない。

  • JFK空港
    • 電車:
      • 費用◎、時間×
      • マンハッタンから地下鉄E線に乗り、エアートレインという電車に乗り換える。7.5ドル、所要時間1時間ちょっと…と見ると良さそうだけど、E線って本当に本数が少ない。ドアが開かなくなって駅を通過、みたいなありえないことも起きてしまう無法地帯っぷり。ただでさえニューヨークの地下鉄は不安定なので(過去記事『ニューヨーク地下鉄との終わりなき戦い』)、飛行機の時間が気になるときはなるべく使いたくない。飛行機を降りて、マンハッタンへ出て来る時はいいかもしれない。
    • タクシー:
      • 費用×、時間◎
      • 定額料金あり。チップも入れると大体65ドルくらいで、夜や早朝等、空いていれば30分くらいでミッドタウンまで出てこられる。ラガーディアより道がいいのかもしれない。…が、一度日曜日にJFKへ向かったところ、イベントのためにマンハッタンの東西の道が封鎖されていて、1時間半もかかるという悲劇があった。電車もそうだけど、週末のニューヨークの交通事情は本当に悪い。
    • シャトルバス:
      • 費用○、時間○
      • …ということで、やっぱりシャトルバスに頼ることになる。片道16ドル、往復割引29ドル。所要時間は45分〜60分くらい。24時間運行ではないので、変な時間に着いたらアウト。

  • ニューアーク空港
    • 電車:費用◎、時間△
      • ペンステーションまで直通のスカイトレインという電車が走っている。5.5ドルと安く、乗ってしまえばペンステーションから空港まで30分なのだけど…乗ってしまえばというところがポイントで、なかなか来ない。この電車も悪名高く、遅れたりめちゃくちゃ時間がかかることが多い。アメリカには鉄道神話はないらしい…
    • タクシー:費用×、時間○
      • 高い!チップ込みで大体100ドル。ポートオーソリティーバスターミナルとかではその辺にいる数人でシェアするのを運転手さんが申し出てくれたりするが、出張の時とか困るし、知らない人と狭い車内で語るのもめんどくさい…所要時間は空いていればポートオーソリティーから40分くらい。
    • シャトルバス:費用○、時間△
      • やはりこれしかない…が、ニューアークのシャトルバスはなかなか来ないことが多い。乗ってしまえばポートオーソリティーから空港まで40分くらいなのだけど…来ない。やはり寒空の下1時間以上待たされたりとかザラなので、ニューアーク便のときはかなり早めに家を出た方がいい。片道16ドル、往復割引で28ドル。(公式サイト)24時間運行ではないので、変な時間の便の時はあきらめるしかない。

前述の通り、全部あまりに不安定すぎて答えはまだないのであるが、大体こんな感じで使い分ければいいのだろうか。

  • タクシー:空港へ行く道で急いでるとき、誰かがお金を出してくれるとき
  • 電車(ラガーディアは路線バス):空港から市街地へ出てくるとき、時間に余裕があるとき、荷物が少ないとき、節約したいとき
  • シャトルバス:荷物が多いとき、早めに出れば往復どちらも割と有効

次回はわたしがアメリカの飛行機の旅がどのくらい嫌いかという点について書きたいと思っている。
早く新幹線ができればいいのに…


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(2014/4/8 追記)
Twitterでこんなのを見つけたのでご紹介。
JFKだと電車とタクシーが使われる割合が同じくらい、ラガーディアだとタクシーを使う人が26%もいるようです。
その他の人はお迎えとかバスってことなのかなー。

2013-12-14

食欲とホームシックは自炊の母

ニューヨークに来てからというもの、「日本にいたときは作らなかったなあ」というものを作るようになった。

これは今日作った肉まん。包み方がまだまだである。

生麩。味噌田楽で食べた。練って洗ってグルテンを取り出して、という手順が超大変だった…


アップルパイ。日本にいたときも作っていたけど、パイシート使わずにパイ生地から作るのは初めてだったりする。

エビチリ。さすがに中華料理屋さんで食べれるじゃん!というつっこみが聞こえてくる。

この他にもマフィンやクッキー、スコーンあたりを日常的に作っている。日本にいたときもたまに作っていたけれど、明らかに頻度は上がっている。

ニューヨークに長く住んでいる人ほど、
「ニューヨーク(マンハッタン)は外食産業が発達してるから、家で料理しなくていいよねー。おいしいお店もたくさんあるし、むしろ材料買って作る方が大変だし、高くつく」
というようなことを主張する。

確かに道を歩けばたいていデリがあるし、デリじゃなくてもファーストフードやらスープ、サラダ等々チェーンのお店も軒を連ねている。外食も各国料理が勢揃いだ。金額についてはきちんと計算したことがないけれど、自炊だったらものすごくお得かというと、微妙なところかもしれない。

ふとした瞬間に、ふとした物が食べたくなるのは多分日本に住んでいても、海外に住んでいても一緒だろう。
例えば寒くなってきたので、肉まんが食べたくなる。日本だったら、100円持ってコンビニへ行けば解決である。コンビニじゃなくても、スーパーではたいてい冷凍のものが置いてあるし、運がよければ中華フェアーとかでおいしい肉まんが手に入る。
もしわたしがハンバーガーを定期的に食べたくなるような趣味だったら、ニューヨークでも事足りる。でも、肉まんとか生麩とか、甘過ぎないアップルパイとか、郷土料理とか、徒歩10分以内の距離で手に入らないものが運悪く食べたくなってしまったら、その欲求を満たすためにはもう作るしかないのである。食べたいものが食べたいときに食べられないことは、わたしを突き動かすものすごい力を持っているのだ。

こういうことに慣れ始めると、たいていのものは作れるのかも?という気がしてきて、これまで作ったことがないものにチャレンジするのが楽しくなってくる。それで、エビチリとかも作るようになるのである。おうちご飯は楽だし。

失敗しないのかというと、全然そんなことはなくて、何度かチャレンジしたけど違うなあと思ったのがこちら。


なんだと思います?これ。

今川焼なんですよ…
巨大だしなんかちがう…

このときはカスタードクリーム入りの今川焼が食べたくて仕方なかったのである。しかし、皮がなんとなくホットケーキっぽくなってしまうし、うまくサンドできないしで失敗を繰り返している。
うーん、小麦粉の種類の問題なのかなあ…未だ試行錯誤中である。

ところで前述の通りニューヨークでは色々な国の食べ物が食べられる。
カンボジアサンドイッチ(ここ)とか、ギリシャ料理のムサカとか、中東料理のハマスとか、ニューヨークに来てから大好物になった。
これらを日本に帰ったあと食べたくなったらわたしどうするんだろう…と考えると、
「あの人を知らなければこんな気持ちになることもなかったのに…」
という、高校生の恋愛にも似た感情がわき上がって、ちょっとセンチメンタルな気持ちになる。
食いしん坊はつらいよ。

今日のニューヨークは一日吹雪だった。
これは昼間の写真。まだ降り続いているので、明日の朝には積もっていそうだなあ。


(2013/12/17 追記)
ちょうど、最近読んだ本が「食べたいものが食べたい!!」という強い衝動について、豊富なエピソードをもとに楽しく描いていたのでご紹介。



作者の食いしん坊ぶりが伝わってくる、食べ物への並々ならぬ愛が詰まった本と言える。思い出しただけでお腹空いてきた…
この中に出てくる「ヤギのお乳」についてはまったく同感。なんでハイジだとあんなにおいしそうに飲んでるんだろうなあ。

2013-12-01

隣国なのに全然違う国、カナダ

お休みを利用して、世界で最も住みやすい町ランキングで何度も上位を獲得しているカナダのバンクーバーへ行ってきた。
ニューヨークのサンクスギビングのパレードはホテルのテレビで見た。そういえば独立記念日もカナダにいたし、ニューヨーク在住なのにニューヨークのイベントをあまり楽しんでいないわたしである。いるかわからないけど、来年に期待。(参考記事:『モントリオールに癒された独立記念日』)

バンクーバーでは、現地にお住まいの主夫のおがしんさん(ブログ)がガイド兼運転手として、観光地からおいしいレストラン、現地のスーパーまでいろいろ案内してくださった。本当にありがとうございます!

スタンレーパークからの眺めをパノラマ写真でお送り。
自然がいっぱいなのに、ダウンタウンは都会で、おしゃれなお店も多い。
日本に住んでいるバンクーバー出身の友人が「横浜に近いかなあ」と言っていたのがちょっとわかる。ダウンタウンのマンション群はみなとみらいやお台場みたいな感じ。ちょっと郊外に行くと横浜市営地下鉄が走っていそうな高級住宅街。山がすぐ近くに見えるのは、横浜のはじっこの方に似ているかもしれない。
でも、自然の豊かさは横浜の比ではない。寒くないなあ、というのがバンクーバーに降り立った第一印象で、冬期オリンピックはいったいどこでやったんだろう?という疑問が生じたのだけど、スノーボーダーにその名を轟かせるウィスラーもあれば、バスで1時間かからない場所にもスキー場がある、というそこだけ見たら札幌か長野かみたいな環境も兼ね備えているのである。

冬のキツラノビーチ。流木ちっくなベンチが風景にマッチしていてすてき。
寒空風に見えるが、気温は10度近くあって過ごしやすい。

ブリティッシュコロンビア大学(UBC)。キャンパスが超広大。

UBCグッズ。キティーちゃんとどーもくんがある…
 

Go Fish Ocean Emporiumという海沿い?湾沿い?のお店で食べたオイスターバーガー。
牡蠣がふっくらほどよく火が通されていて超おいしい。

こちらはGranville Island Tea Companyというお店で、横浜の赤レンガ倉庫をもっとひろくした感じのグランビルアイランドというお店やギャラリーが並ぶの中にあるお店。
バンクーバー出身の子が「ここのマサラチャイが飲みたい。おすすめ!隠しメニューでショウガも入れてもらえます」と言っていたので試してみた。冬にぴったりのスパイシーなチャイ、おいしい。

おしゃれデパートのディスプレイ。こんな格好でスキーしちゃだめ!!寒いよ!!というつっこみをしてしまった。

在住の方いわく、バンクーバーにはこんな特徴があるそうだ。
  1. サービスが悪い
  2. 物価が高い
  3. 品揃えがしょぼい
サービスについては、ニューヨーク砂漠から行っているからか全然気にならなかった。
むしろ、人がせかせかしてない分心地よさを感じる。
空港で余ったカナダドルをUSドルに替えようとしたときに、カウンターのお姉さんが、「小銭もある?USドルの小銭が混ざっても大丈夫。一番いい方法で両替します」
と申し出てくれたのには感動した。
ふらりと入った客単価10ドル以下と見られるベトナム料理屋さんの店員さんもそんなに感じが悪い風でもないし、中華料理屋さんもお茶をテーブルにこぼして拭く、みたいなことしないしさー…って、これは自分の期待値の低さを再確認せざるを得ない。

物価は確かに高い、というかマンハッタンと比べても遜色ないし、その上を行くものもある。ビールの値段はだいたい倍くらいである。
さらにものによっては税金が12%かかる。信者の夫曰く、アップル製品の価格はアメリカよりも高かったそうで、それに税金12%が乗ってくることを考えるとちょっと購買意欲を失うかもしれない。ちなみにその代わり、医療費は無料で、典型的な大きな政府である。

品揃えのしょぼさは、Amazonで検索するとよくわかるそうだ。在住者の方がアメリカとカナダのAmazonで商品を検索したら、数百vs一桁くらいのレベルで表示されるアイテムの数に差が出たとのことである。
物価の高さと品揃えのしょぼさのせいで、カナダからアメリカへ買い出しに行く人が後を絶たないらしいが、免税範囲が雀の涙な上に、税関のチェックが厳しい。24時間滞在しないとお酒類は買っちゃだめ、免税範囲も200カナダドル、怪しい人は容赦なく税関でチェック…ということでアメリカから行ったわたしたちもなぜか税関検査にひっかかったのであった。
去年の記事だけど、こんなニュースも見つけた。


拡大されても200ドルって、そんなに買えないよね…

しかし、毎日ニューヨークで買い物を迫る勢いの広告の海にもまれていたわたしは、逆に広告を見ても「あいつらのお金を使わせる圧力に負けず、本当にほしいものだけを買おう!」という信念めいたものを持つようになった。ほしいものがないのはちょっと困るけど、そもそも日本みたいなかゆいところに手が届く便利グッズがお手頃価格で売っている場所ってきっとそんなにないだろうし、衣食住が立ち行かなくなるみたいな必需品はそこまでないだろう。電化製品は高くてちょっと悔しい思いをするけれど、買えないことはないだろう。
エアカナダの飛行機の中では新聞を配っているし、機内テレビもWi-Fiも無料。機内食はさすがに出なかったけど、航空券が安いわけでもないのになんでも有料にするアメリカの航空会社とは姿勢が違う。

ともあれ、アメリカ、というかニューヨークほどお金儲けに対する前のめりな姿勢を感じないのがカナダである。隣のアメリカよりも、ヨーロッパのどこかの国や日本の方が雰囲気が近い。田舎ということなのだろうか。
そんな雰囲気が居心地がいいなーと感じるあたり、やっぱりわたしには市場原理主義万歳、ものは消費してなんぼ、女性はみんなフルメイクでタイトな服装をしている「意識の高い夢追い人の街」、ニューヨークが合ってないのかもしれない…という気持ちがわき上がった。

以前も書いたけれど(過去記事:『「欧米」というくくりに物申す』)、東京とニューヨークは似ている。さらに政府は景気を上げるために色々な施策をやろうとしているけれど、これで超市場原理主義に傾かれたら、活気はあるだろうけど、「おもてなし」どころじゃない、地獄の沙汰も金次第的なぎすぎすした街になりそうだなあと思っている。
もちろん、経済的に成長しなきゃいけないというのはなんとなくわかるんだけど、人口も減るし、別の軸での発展を考えてもいいんじゃないかなあ。バランスをとることは難しいだろうし、環境の変化があって一定に保つこともできないだろうから、経済成長側に寄ったり、社会保障側に触れたり、というゆらぎを繰り返しながら一番いい形を目指していくのだろう。(と思いたい)

バンクーバー、ひいてはカナダを一言で表すと、「都会もたまにあるけど基本的にのんびりした田舎」である。この場所がいいなあ、と思うのは日本での田舎暮らしに憧れる気持ちに似ている。
刺激が欲しい!という人には多分あまり向いていない場所だけど、ゆったりと人生を楽しみたいという人にはかなりおすすめの場所だなあと思った。
…いいなあ、住みたい。