パリからニューヨークの距離は3649マイルだ。(United)
先日、ふらりと出かけたパリで(過去記事)、現地に住む友人が教えてくれた、あるベトナム料理が超おいしかったのである。
その名はミコー(Mi Kho)。乾燥エビの入ったさくさくのかき揚げにたっぷりサラダが乗ったあったかい汁なし麺で、どんぶりの底のお醤油ベースのたれを混ぜながらいただく。
ううう…なんですかこの素晴らしいは食べ物はー!
麺類を食べるときの「野菜があんまり食べられない」および「途中で飽きてしまう」という点を解決する素晴らしいメニュー。
本当においしくて、
「ニューヨークには世界各国の料理屋さんがあるから、帰ったあともミコーを出すお店を探して食べに行こう」
と食べながら心に誓った。
あ、ちなみにお店はこちらです。
Mai Lam Saigon (Yelp)
パリから帰ってきて、ニューアークに着いて携帯の電源を入れた瞬間、ニューヨークのミコー事情を捜索開始。
Twitterで教えてもらったのだが、ミコーとは、
mi = 卵麺
kho = 乾燥した、干した
という意味らしい。こんなのがすぐわかっちゃうTwitterすごい。ありがとうございます。
「mi kho vietnamese」でぐぐったら、かなり近いものを発見。
野菜いっぱいだし、エビのかき揚げっていうか天ぷら?いやえびせん?が乗っかったこれはかなり近いのでは!
お店はどこだー!と早速場所を探してみる。
ど、どこなの…?
住所にVAと書いてあったので、どうやらヴァージニア州らしい。マンハッタンから250マイルくらいあるんですけど…
興味のある方はこちらなのでどうぞ。
Hai Ky Mi Gia (Yelp)
気を取り直して捜索を継続する。今度は検索ワードに「NYC」と入れるのを忘れない。
すると、わたしと同じようにニューヨークでミコーを求めている人がいた。さらにお店の名前が出ているではないか!
Vietnamese Mi Kho Noodle Dish in NYC? (CHOW)
さすがニューヨーク。簡単に見つけてしまった。さっそくお店の名前でぐぐる。
………(検索中)………
見つからない。なんかバンクーバーとラスベガスに同じ名前のお店があるようなんだけど、ニューヨークでは出てこない。
よく見ると質問は2003年のものだし、競争が激しいニューヨークではなくなっていても不思議ではない。Googleストリートビューで見てみる。
87 Baxter St, New York, NY 10013
メニューに燦然と輝く「L39 A. Mi Bo Kho」の文字。
Boは牛肉のこと。牛肉そんなに好きじゃないけど、ニューヨークに帰ってきてしまったこの期に及んで背に腹は代えられない。
あいにくの雨模様の中、さっそく行ってみた。
地下鉄のCanal駅から降りてすぐ 、Baxter Stというチャイナタウンのはずれに、そのお店はあった。
ZAGATや、日系メディアのデイリーサンも紹介しているよーと掲げられていた。
ベトナム料理 NHA TRANG ONEの「フォー」(デイリーサン ニューヨーク)
ちがいます!わたしたちはフォーを求めてきたんじゃありません!
あんなちゃらちゃらした誰からも愛されるセンター的人気者じゃなくて、知る人ぞ知るっぽい、わたし的推しメンならぬ推し麺のミコーを求めてきたんです!
…はー。フォーも大好きなのだが、ミコーを求める気持ちがちょっと暴走した。
お店の中は結構賑わっている。大勢で来ているグループも、ひとりで来ている人も結構いて、人種を問わず人気のようだった。
メニューを渡される。脇目も振らずにMi=卵麺のページを探す。
…………あれ?求めていたMi Bo Khoがない。
ウェブサイトだと、「L39A」と書いてあったけど、そんなものが存在しない。
ま、まさか。嫌な予感がする。オーダーを取りにきた店員さんに聞いてみる。
わたし「あのー、ミコーはないんですか?」(携帯でウェブサイトを見せながら)
店員さん「ああ、ミコーはありません」
がーーーーーーん!!!
雨の中チャイナタウンまで来ることが、ぐうたらなわたしにどれだけハードルが高かったことか…
おなかがぺこぺこなので気を取り直して、それっぽいものを頼んでみることにした。
「L39. Mi Xao Bo Cai」というのが気になる。「干○麺」とか「Dry」って書いてあるし、ミコーに近いんじゃないだろうか。
どういうものですか?と聞いてみたら、「蒸し麺をいためたもの」という話だったので、一縷の望みをかけて、それをお願いしてみた。
……………
全然ミコーじゃない…
牛肉ともやしとトマトとからし菜のような野菜をいためたものが細めの卵麺にのっかっている。
失望を隠せないが、ひとくち、口へ運ぶ。
あれ、この麺おいしい。パリで食べたのより細いけど、ちゃんとアルデンテで(とパスタ以外のものに使うかはわからないが)、ぷちぷちした歯ごたえがやみつき。
たれはかかってなかったけど、牛肉から出た肉汁がほどよく甘じょっぱくておいしい。
写真ではわからないけど、トマトが牛肉と油のしつこさをうまく中和してくれていて、口直しになる。
ミコーじゃないけどなかなかいいかも。これが7ドルというのも嬉しい。
生春巻も2本で4ドルと破格。
この小さなおたまは生春巻のソース用??と思って使ってしまったのだが、
スープ用でした…
思わぬおいしいものが食べられて満足だったが、第1期ミコー捜索隊の任務はまんまと失敗したのであった。
第2期の活躍に期待したい。
教訓:ニューヨークだからと言ってなんでも食べられるわけではありません。
◆◆◆
(2014/4/26 追記)
続編書きました!
『続・幻のベトナム料理、「ミコー」を探して3649里』
先日、ふらりと出かけたパリで(過去記事)、現地に住む友人が教えてくれた、あるベトナム料理が超おいしかったのである。
その名はミコー(Mi Kho)。乾燥エビの入ったさくさくのかき揚げにたっぷりサラダが乗ったあったかい汁なし麺で、どんぶりの底のお醤油ベースのたれを混ぜながらいただく。
ううう…なんですかこの素晴らしいは食べ物はー!
麺類を食べるときの「野菜があんまり食べられない」および「途中で飽きてしまう」という点を解決する素晴らしいメニュー。
本当においしくて、
「ニューヨークには世界各国の料理屋さんがあるから、帰ったあともミコーを出すお店を探して食べに行こう」
と食べながら心に誓った。
あ、ちなみにお店はこちらです。
Mai Lam Saigon (Yelp)
パリから帰ってきて、ニューアークに着いて携帯の電源を入れた瞬間、ニューヨークのミコー事情を捜索開始。
Twitterで教えてもらったのだが、ミコーとは、
mi = 卵麺
kho = 乾燥した、干した
という意味らしい。こんなのがすぐわかっちゃうTwitterすごい。ありがとうございます。
「mi kho vietnamese」でぐぐったら、かなり近いものを発見。
野菜いっぱいだし、エビのかき揚げっていうか天ぷら?いやえびせん?が乗っかったこれはかなり近いのでは!
お店はどこだー!と早速場所を探してみる。
ど、どこなの…?
住所にVAと書いてあったので、どうやらヴァージニア州らしい。マンハッタンから250マイルくらいあるんですけど…
興味のある方はこちらなのでどうぞ。
Hai Ky Mi Gia (Yelp)
気を取り直して捜索を継続する。今度は検索ワードに「NYC」と入れるのを忘れない。
すると、わたしと同じようにニューヨークでミコーを求めている人がいた。さらにお店の名前が出ているではないか!
Vietnamese Mi Kho Noodle Dish in NYC? (CHOW)
I haven't been here in quite a while and am not even sure if it's still around, but they did have a decent version of this dish at pho thanh hong restaurant in chinatown (called mi bo kho on the menu, and has stewed beef chunks with cilantro on top, and egg noodles).いえーい!あなたのおかげでGood luckつかんじゃったよありがとう!
Pho Thanh Hong
30 E Broadway, New York 10002
good luck!
さすがニューヨーク。簡単に見つけてしまった。さっそくお店の名前でぐぐる。
………(検索中)………
見つからない。なんかバンクーバーとラスベガスに同じ名前のお店があるようなんだけど、ニューヨークでは出てこない。
よく見ると質問は2003年のものだし、競争が激しいニューヨークではなくなっていても不思議ではない。Googleストリートビューで見てみる。
…………銀行になっていた。
食べるという人間の三大欲求のひとつが、現代の行き過ぎた資本主義に敗北したようで、ぐうたら食いしんぼうのわたしとしては非常に遺憾である。
この時代にインターネット(Google先生)で見つからないということは、もう存在が危ういのではないだろうか。次回のパリまで食べられないなんて耐えられないーーうわーーーん。
半ば絶望的な気持ちになっている中、このお店を発見したときは、ニューヨーク行きのバスが来ないことも忘れるほどの感動だった。
メニューに燦然と輝く「L39 A. Mi Bo Kho」の文字。
Boは牛肉のこと。牛肉そんなに好きじゃないけど、ニューヨークに帰ってきてしまったこの期に及んで背に腹は代えられない。
あいにくの雨模様の中、さっそく行ってみた。
地下鉄のCanal駅から降りてすぐ 、Baxter Stというチャイナタウンのはずれに、そのお店はあった。
ついに来た…!マチュピチュに到着したときにも匹敵する興奮が胸の奥からわき上がって来る。
ベトナム料理 NHA TRANG ONEの「フォー」(デイリーサン ニューヨーク)
ちがいます!わたしたちはフォーを求めてきたんじゃありません!
あんなちゃらちゃらした誰からも愛されるセンター的人気者じゃなくて、知る人ぞ知るっぽい、わたし的推しメンならぬ推し麺のミコーを求めてきたんです!
…はー。フォーも大好きなのだが、ミコーを求める気持ちがちょっと暴走した。
お店の中は結構賑わっている。大勢で来ているグループも、ひとりで来ている人も結構いて、人種を問わず人気のようだった。
メニューを渡される。脇目も振らずにMi=卵麺のページを探す。
…………あれ?求めていたMi Bo Khoがない。
ウェブサイトだと、「L39A」と書いてあったけど、そんなものが存在しない。
ま、まさか。嫌な予感がする。オーダーを取りにきた店員さんに聞いてみる。
わたし「あのー、ミコーはないんですか?」(携帯でウェブサイトを見せながら)
店員さん「ああ、ミコーはありません」
がーーーーーーん!!!
雨の中チャイナタウンまで来ることが、ぐうたらなわたしにどれだけハードルが高かったことか…
おなかがぺこぺこなので気を取り直して、それっぽいものを頼んでみることにした。
「L39. Mi Xao Bo Cai」というのが気になる。「干○麺」とか「Dry」って書いてあるし、ミコーに近いんじゃないだろうか。
どういうものですか?と聞いてみたら、「蒸し麺をいためたもの」という話だったので、一縷の望みをかけて、それをお願いしてみた。
……………
全然ミコーじゃない…
牛肉ともやしとトマトとからし菜のような野菜をいためたものが細めの卵麺にのっかっている。
失望を隠せないが、ひとくち、口へ運ぶ。
あれ、この麺おいしい。パリで食べたのより細いけど、ちゃんとアルデンテで(とパスタ以外のものに使うかはわからないが)、ぷちぷちした歯ごたえがやみつき。
たれはかかってなかったけど、牛肉から出た肉汁がほどよく甘じょっぱくておいしい。
写真ではわからないけど、トマトが牛肉と油のしつこさをうまく中和してくれていて、口直しになる。
ミコーじゃないけどなかなかいいかも。これが7ドルというのも嬉しい。
生春巻も2本で4ドルと破格。
この小さなおたまは生春巻のソース用??と思って使ってしまったのだが、
スープ用でした…
思わぬおいしいものが食べられて満足だったが、第1期ミコー捜索隊の任務はまんまと失敗したのであった。
第2期の活躍に期待したい。
教訓:ニューヨークだからと言ってなんでも食べられるわけではありません。
◆◆◆
(2014/4/26 追記)
続編書きました!
『続・幻のベトナム料理、「ミコー」を探して3649里』
お久しぶりです。
返信削除読んでいて。ちょっと気になったんだけど・・・。
それに似たようなものなら、Mekong Thai & Vietnamese Restaurantで食べるHouse Salad Bowlなるものが似てるような気がします。
http://www.yelp.com/biz/mekong-thai-and-vietnamese-restaurant-flushing
http://www.yelp.com/biz_photos/mekong-thai-and-vietnamese-restaurant-flushing?filter_by_userid=True&select=fUJxTfjU8lL7rpXQROefRQ&userid=6fCaPSnxfgqhA1VSs-MBwA#M1Nt0IglxSFCrmXCwWF3kA
↑Yelpに投稿している写真。
私のブログ内にも、Mekongで検索すれば、レストランのこと書いた記事がちらほらでてきますが・・・。
mi kohっていう名前だったかどうかは覚えて無いけど。(英語名だけしかおぼえてませーん。)
でも、読んでると食べたくなりました・・・。あ~、そろそろ行かねば。前回行ったの一月上旬。
>MISSYさん
返信削除こんにちは!情報ありがとうございますー。
教えていただいたサイトとブログの記事、見てみました!麺がバーミセリっぽいですが、野菜がのっかってる感じは似てますね…!
気になるので週末にでも行ってみますーー。フラッシングでしたらほかのお店もありそうですね!
そうそう。麺がバーミセリです。Hマートの隣で、パリス・バゲットの近く・・・よくハシゴしてますが、最近行ってない・・・(なんちゃってしゃぶしゃぶばかりです。)
返信削除ああーー、やっぱりバーミセリですかーー。
返信削除パリのミコーは卵麺で、まるで冷やし中華のようだったので、ちょっと違う料理ですね…(麺にうるさいわたし)
別のものとしておいしそうです!
冷やし中華!美味しそうですね。このブログ記事でなつかしくなたので、つい、週末行って来ました。英語名と中国名でしか表記がなかったので確認できなかったんですけど、別物ですがやっぱり美味しかったです。
返信削除