2014-04-26

続・幻のベトナム料理、「ミコー」を探して3649里

相変わらず、パリで食べたミコーが忘れられないわたしである。

何度見ても神々しいばかりの写真!
あったかい冷やし中華というべきか、サラダ油そばというべきか、卵麺のぷりぷりさと、たれのおいしさが相まった、あとをひく素晴らしい食べ物である。

第1回捜索隊の失敗にもめげず(過去記事)、わたしは引き続きニューヨークでミコーを追い求めていた。
このブログは、ミコーにとりつかれた麺好き女の1ヶ月に及ぶ捜索活動の記録である。

■目次
  • 第1章 卵麺は必須かもしれない
  • 第2章 タイレストランでの出会い
  • 第3章 意外なところで…!アメリカ版ミコーの発見
  • 終章  いとしのミコー

■第1章 卵麺は必須かもしれない
先日のブログでミコーについて書いたところ、
「フラッシングのベトナム料理屋さんに似たようなものがありますよ」
という優しい情報をいただいた。

ふむ、確かに見た目が近い。しかしメニューを見ると麺がバーミセリと書いてある。
バーミセリとは細い麺のこと。アジアンのお店でバーミセリと言われた場合は、大体お米から作られた麺である。(…と思うんだけど、グルメのみなさん、あってますか?)
あと、このメニューはこのメニューでおいしそうなんだけど、ミコーにはもうちょっと緑の野菜が乗っていた。
いただいた情報から着想を得て、野菜が乗っているスープなしのバーミセリを捜索する。すると、ミッドタウンのベトナムデリが条件に合致するようなメニューを提供していることを発見!さっそく行ってみた。


ふむー…野菜たっぷりなところはいいし、これはこれでおいしいのだけど、ミコーではない。バーミセリと卵麺では食感も風味も全然違うものなあ。
たれはスイートチリみたいなかんじで、なんというか、大きい生春巻を食べている気持ちになる。生春巻だからやっぱりおいしいんだけど、ミコーではない。残念。
この経験から、「ミコーにおいて卵麺は必須なのかもしれない」という発見をした。

Boi Sandwich
708 3rd Ave
New York, NY 10017
b/t 44th St & 45th St in Midtown East


■第2章 タイレストランでの出会い
ミコーはベトナム料理なので、インターネットを駆使してベトナム料理屋さんの麺メニューを調べまくっていた。
「mi kho」というキーワードでは出てこないということがわかっていたので、「dry noodle vietnamese」とかで探していたのだが、うーん、なかなか見つからない。「観測されないものは存在しないと同じなんだよ!」とか叫びだしたくなる気分。このニューヨークにありながら、インターネットで見つけられないものがあるのか!あるべきではない!

そんなある週末、夫が突然ミコーを捜索し始めた。四六時中ミコーミコーと唱えている麺中毒者の妻に辟易していたのかもしれない。
しばらくして「これ近いんじゃないー?」と見せられたメニューは、タイ料理レストランのものだった。
ものすごい灯台下暗し感である。ニューヨークだったらタイとベトナムがごっちゃになっていてもおかしくない気がする。


うおおおお、「Ratchaburi Crab & Pork Dry Noodles」!しかも「homemade egg noodles」とはかなり期待できる。
パジャマでごろごろしていたわたしたちは、早速着替えて行ってみることにした。

お店はこちら。最近話題のグルメスポット、ヘルズキッチンにある「Pure Thai Cookhouse」である。
象さんの看板が目印。外観がおしゃれカフェっぽい。内装はちょっとチープな感じだけど、木目調で素敵である。

噂のドライヌードルはもちろん、せっかくなので前菜もちょっと頼んでみた。

手前は定番の青パパイヤサラダ。
奥は「Steamed Fresh Roll」という謎のメニュー。生春巻を蒸した感じのもので、たれが甘酸っぱい上に、ライスペーパーの風味のせいで、なんとなくサラダ巻を食べている気分になる。いける。サラダももちろんおいしい。
前菜のクオリティーの高さにも満足して、待ちに待ったドライヌードルの登場です!

おおお、なんかちょっと近い。野菜が少ないけど、卵麺というだけで近く見える。
どきどきしながら口へ運ぶ。自家製という卵麺はゆで具合が完璧で、ぷりぷりしてておいしいーー。具のカニ身とチャーシューも優しい味でいける。
たれは透明で、一見すると味がついていないんじゃ!?と心配になるが、口に含むと甘酸っぱさが心地よく、油そばと冷やし中華だったらかなり冷やし中華寄りである。
ミコー的にはもうちょっと塩辛さがあってもいいかなあと店員さんが持ってきてくれたナンプラーをかけてみたらちょうどよくなった。ふおおおお、おいしいー。
…が、やっぱりこれはミコーではないのだ。ミコーはもうちょっとたれが濃くて、油そばっぽさがある。あと、これには上の揚げ物がない。これで満足しては道なかばにしてミコー捜索を諦めたとも同然。
いずれにせよ、このメニューはこのメニューで今後追い求めてしまう対象になるかもしれない。自分の底知れぬ食への欲求と次の引っ越しに恐怖した。

Pure Thai Cookhouse
766 9th Ave
New York, NY 10019
b/t 51st St & 52nd St


■第3章 意外なところで…!アメリカ版ミコーの発見
ミコー捜索に疲れたわたしは、ふと思い立ってワシントンDCへ行くことにした。
桜とタダで見られる芸術作品に癒されたわたしたちは、ジョージタウンというおしゃれタウンへ行ってみた。

東京の表参道みたいなおしゃれな場所で、気になる洋服屋さんや、レストランが落ち着いた雰囲気の町に並んでいる。
夕方になっておなかが空いてきた。ニューヨークでは考えられないくらい暑かったので、さっぱりしたものが食べたくて、近くにあったベトナム料理屋さんに入ってみた。
渡されたメニューを見て、思わず目を疑った。

Seafood with Noodles in Oyster Sauce (Mi Kho)……

なななななんだとーーーー!まさか旅行先でふらりと入ったベトナム料理屋さんで発見してしまうとは!!これまで必死で探していたのに、棚からぼたもち感が半端ない。
しかも、オイスターソースはパリの本家ミコーに近いこってりさが期待できそうである。
当然たのんだ!

おおおおおおーーーー!!あまりにも興奮して、スープが左側で失礼します!
野菜がのっているところ、揚げ物として海老フライが添えられているところ、あっさりスープがついてくるところ、すべてが本家に近い!麺もちゃんと卵麺である。
たれはメニューにも書いてあった通りオイスターソースベースで、甘辛い。ちゃんと油そばっぽさがある。
シーフード大好きなので、ホタテやイカがのっているのも幸せを倍増させる。海老フライは日本のエビフライそのまんまで、本家とは違うと思いつつも優しい味に癒される。おいしいーー。
強いて言うならば、パクチーが乗っていなかったのが残念。もし次に行く機会があったら、パクチーお願いします!と言ってみようかなーと思う。

Miss Saigon
3057 M St Nw
Washington, DC 20007
b/t N 31st St & N Thomas Jefferson St in Georgetown


■終章 いとしのミコー
かくして、第2回ミコー捜索隊の活動は、

  • ニューヨークのミコーとはちょっと違うけどやみつきになるタイ麺
  • ワシントンDCのかなり本家に近いミコー

という収穫を得て終了した。

たまに、「ある土地で食べたものがとてもおいしかったという体験は、幸せなのかどうか」ということを考えることがある。
もちろん、食べた瞬間は幸せだ。こんなものが食べられる人生最高!と思う。
でも、わたしのような食いしん坊には、今回のミコーのように、「食べたいけど食べられない!」ということが激しいストレスにもなったりする。「こんなストレスを感じるのであれば、その幸せを知らない方がいいのではないか?」と考えてしまうのだ。「別れるのがつらいから、大好きな人と恋愛関係になりたくない」というのに似ている。
東京に住んでいたころ、いきなりクスクスとハマスが食べたくなったことがあって、お店を探すのが大変だったことを思い出した。今は逆に、東京のあるお店の担々麺とカスタードクリームの大判焼きが食べたいよーーーー。ううう。

…話がそれてしまった。
食べたいものが食べられない状態はつらいものだけど、きっと、それだけ魅力が溢れる広い世界に住んでいるということなのだろう。
その事実は、がんばっても1日せいぜい4食くらいしか食べられないという現実と相まって、人生の有限さを再確認させる。
これからも気になるものには果敢に挑戦して、たまに「これは!」というものに出会い、たまに「うわーやっちゃった…」と肩を落とす、小さな冒険を続けていきたい。
その積み重ねが食いしん坊道……ではなく、人生なのだ!


◆◆◆
過去記事
『幻のベトナム料理、ミコーを探して3649里』


4 件のコメント:

  1. ベトナム料理好きなのでとても楽しく読ませてもらいました^^

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  2. こんにちは!コメントありがとうございます。
    ベトナム料理おいしいですよね。大雑把な食べ物(失礼)に疲れた時の癒しですー!
    今度、日本と本場ベトナムで探してみたいなあと思っているところです!

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  3. おお~~。DCで見つけたんですね!
    「ニューヨークのミコーとはちょっと違うけどやみつきになるタイ麺」食べてみたいです!是非今度行って見ますね~!

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  4. MISSYさん
    そうなんです!DCで発見しました!かなりパリのミコーに近くて、大満足でしたー。
    ニューヨークのタイ麺、もし機会があればぜひおためしくださいー。このお店、かなり人気っぽくてお昼時は混んでるので、ずらして行くといいかもしれません。

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