今週末は旧正月。チャイナタウンは大盛り上がりだった。
気づいたらニューヨークへ来て1年が過ぎていた。
別に忙殺されるほどでもなく、ごろごろ引きこもっていただけなのに(だからか?)、あっという間の1年だった。
さらに、もう2014年になって、12分の1が経過していた。
今更感があるけれど、この1年の振り返りと、2014年の抱負などを書いてみたいと思う。
…旧正月新年だからいいよね!
◆◆ 1年の振り返り ◆◆
(1)世界はモザイクだ
そんなに数は多くないけれど、いろいろな人生を送ってきたいろんな国の人に出会えることができたのは、視野を広げることや、自分の特徴の把握にとても役に立った。
例えば、
映画を作りたいという夢を持って仕事を辞めて日本から来た若者だとか、
自分の子供が英語しか喋れなくて意思疎通ができないから英語を習うメキシコ人のお母さんだとか、
国の政策や、大気汚染のせいで子育てに支障がでるという判断をして中国からニューヨークにやってきた夫婦だとか、
「なんで世間の人はみんなベジタリアンじゃないのか」と考えているスペイン人の大学生だとか(生ハムの国ですよ!)、
ひとりひとりとの出会いが、とても印象的だった。
だからなのか、「日本人は○○だ」、「あの国は○○だ」みたいな、大きすぎる「断定」には以前よりもさらに違和感を覚えるようになった。これは差別にうるさいアメリカに住んでいるからという部分もあるかもしれない。ユーモアがあるものならいいんだけどねえ。
(2)ユートピアはない
ニューヨークはわたしにとって桃源郷じゃなかった。
そんなに潔癖じゃないわたしからしても街は汚いし、特に夏は臭いし、物価は高くて格差は激しいし、ほいほい買ってぽいぽい捨てる「消費バンザイ!」な雰囲気は刹那的でサステナブルじゃない。「MOTTAINAIは世界を救う」というステッカーを街にぺたぺたはりたい。
でも、いろんな国の食べ物が食べられたり、いろんな人に出会えたり、美術館や演劇のような文化を気軽に楽しめるのはとてもいいところだと思う。
一歩下がったところで愛する日本を観察できたのはすごくよかった。日本はやっぱりきれいだし、ごはんおいしいし、人は優しいし、物価や税金はそんなに高くないし、保険も年金も国と企業ががっつり運営してくれてて最高(もらえるかとかいう問題は置いておきましょう)。
東京は通勤大変だし、長時間労働がいやだし、終身雇用は善し悪しだし、差別的考えを平気で大声で叫ぶ人がいるのがうざいけど。
結局、ユートピアはなくて、限られた選択肢の中から、「そのとき自分が一番合う場所に住む」というのが当たり前だけど答えなんじゃないだろうか。
…という考察の結果、ニューヨークに住みながら、「日本の地方都市最強なんじゃない…?」という結論に達しそうになったりしている。
(過去記事『今、日本の地方都市がアツイ』)
(3)気の合う友達・家族は宝物
色々な考えを聞いたり、文化を経験するのは楽しいのだが、そうこうしている間に「一緒にいて安らぐ相手」というのが明確になる。
超いい人でも「和食嫌い。魚介類ありえない」っていう人や、「アメリカ(日本)至上主義!」を唱えている人、「若い女最高」と公言している人とは、たまにならいいけど、頻繁にご飯を食べに行きたいと思えない。(心が狭くてすみません)
わたしの場合、安らぐ相手はわたしが考えたことに対して聞く耳を持ってくれて、自分の経験や知識、研ぎすまされた勘から自分の考えやそれに至った経緯を素直に述べてくれる人である。
この1年、そういう人たちにはすごく助けられたので、わたしも周りの人に少し役立つ人間になれたらなーとぼんやり思っている。
--------
ここまでここ1年の振り返り。
ということで、2014年の抱負などを恥ずかしながら書いておきたいと思う。
◆◆ 2014年の抱負 ◆◆
(1)わからないことを流さない
わたしはわからないこと、考えるのが大変そうなことをスルーしがち。
なので、わからないことはきちんとわからないと言って、いろんなことを知ることができるといいなあと思っている。
(2)いつでもユーモアを忘れない
納得できないこととか、おかしいなあと思うことに出会ったときに、頭ごなしに批判をするのではなくて、とんちの利いた返しができるようになりたい。
語彙がないし、直情的なので難しいんだけど、できごとをこねくり回して面白く考えられればいいなあ。
(3)「めんどくさい」ことを避けない
最後はちょっと悩んだんだけどこれ。めんどくさいこととやりたくないことは違うと思う。
わたしがめんどくさがるのは物をすぐに片付けるとか、必要なときにあまり親しくない人に話しかけるとか、人と議論することとか、その辺である。
やりたくないことというのは夜遅くまで働くとか、気合に任せて何かをすること。(ほんと脱力系だ)
なので、引き続きやりたくないことは積極的に避け、めんどくさいことはちょっとずつやっていけるようにしようと思う。
--------
しかし日本にいたときは「新年」の到来をある程度厳かに受け止めていたのであるが、今年はニューヨークで引きこもっていたからか、あまり新年感がない。
初詣に行って、お雑煮食べて、つまらないテレビを冷やかして、ごろごろするっていうのは、気持ちを新たに何かを始めるのに大切な儀式なのかもしれない。そのくらいわたしにしみ込んでいるのかな…
ともあれ、チャイナタウンで旧正月を味わったので、今日からわたしの2014年ということにしよう。
ちなみに2013年の抱負はこんなんでした。(過去記事)
(1)人と自分を比べて、うらやましがらない、落ち込まない。
(2)お風呂に入らずに寝ない。
(3)ブログを1週間以上放置しない。
…うーん、お風呂以外はあまりできなかったような気もするけど、意識的になれた点ではよかったかもなあ。
気づいたらニューヨークへ来て1年が過ぎていた。
別に忙殺されるほどでもなく、ごろごろ引きこもっていただけなのに(だからか?)、あっという間の1年だった。
さらに、もう2014年になって、12分の1が経過していた。
今更感があるけれど、この1年の振り返りと、2014年の抱負などを書いてみたいと思う。
…旧正月新年だからいいよね!
◆◆ 1年の振り返り ◆◆
(1)世界はモザイクだ
そんなに数は多くないけれど、いろいろな人生を送ってきたいろんな国の人に出会えることができたのは、視野を広げることや、自分の特徴の把握にとても役に立った。
例えば、
映画を作りたいという夢を持って仕事を辞めて日本から来た若者だとか、
自分の子供が英語しか喋れなくて意思疎通ができないから英語を習うメキシコ人のお母さんだとか、
国の政策や、大気汚染のせいで子育てに支障がでるという判断をして中国からニューヨークにやってきた夫婦だとか、
「なんで世間の人はみんなベジタリアンじゃないのか」と考えているスペイン人の大学生だとか(生ハムの国ですよ!)、
ひとりひとりとの出会いが、とても印象的だった。
だからなのか、「日本人は○○だ」、「あの国は○○だ」みたいな、大きすぎる「断定」には以前よりもさらに違和感を覚えるようになった。これは差別にうるさいアメリカに住んでいるからという部分もあるかもしれない。ユーモアがあるものならいいんだけどねえ。
(2)ユートピアはない
ニューヨークはわたしにとって桃源郷じゃなかった。
そんなに潔癖じゃないわたしからしても街は汚いし、特に夏は臭いし、物価は高くて格差は激しいし、ほいほい買ってぽいぽい捨てる「消費バンザイ!」な雰囲気は刹那的でサステナブルじゃない。「MOTTAINAIは世界を救う」というステッカーを街にぺたぺたはりたい。
でも、いろんな国の食べ物が食べられたり、いろんな人に出会えたり、美術館や演劇のような文化を気軽に楽しめるのはとてもいいところだと思う。
一歩下がったところで愛する日本を観察できたのはすごくよかった。日本はやっぱりきれいだし、ごはんおいしいし、人は優しいし、物価や税金はそんなに高くないし、保険も年金も国と企業ががっつり運営してくれてて最高(もらえるかとかいう問題は置いておきましょう)。
東京は通勤大変だし、長時間労働がいやだし、終身雇用は善し悪しだし、差別的考えを平気で大声で叫ぶ人がいるのがうざいけど。
結局、ユートピアはなくて、限られた選択肢の中から、「そのとき自分が一番合う場所に住む」というのが当たり前だけど答えなんじゃないだろうか。
…という考察の結果、ニューヨークに住みながら、「日本の地方都市最強なんじゃない…?」という結論に達しそうになったりしている。
(過去記事『今、日本の地方都市がアツイ』)
(3)気の合う友達・家族は宝物
色々な考えを聞いたり、文化を経験するのは楽しいのだが、そうこうしている間に「一緒にいて安らぐ相手」というのが明確になる。
超いい人でも「和食嫌い。魚介類ありえない」っていう人や、「アメリカ(日本)至上主義!」を唱えている人、「若い女最高」と公言している人とは、たまにならいいけど、頻繁にご飯を食べに行きたいと思えない。(心が狭くてすみません)
わたしの場合、安らぐ相手はわたしが考えたことに対して聞く耳を持ってくれて、自分の経験や知識、研ぎすまされた勘から自分の考えやそれに至った経緯を素直に述べてくれる人である。
この1年、そういう人たちにはすごく助けられたので、わたしも周りの人に少し役立つ人間になれたらなーとぼんやり思っている。
--------
ここまでここ1年の振り返り。
ということで、2014年の抱負などを恥ずかしながら書いておきたいと思う。
◆◆ 2014年の抱負 ◆◆
(1)わからないことを流さない
わたしはわからないこと、考えるのが大変そうなことをスルーしがち。
なので、わからないことはきちんとわからないと言って、いろんなことを知ることができるといいなあと思っている。
(2)いつでもユーモアを忘れない
納得できないこととか、おかしいなあと思うことに出会ったときに、頭ごなしに批判をするのではなくて、とんちの利いた返しができるようになりたい。
語彙がないし、直情的なので難しいんだけど、できごとをこねくり回して面白く考えられればいいなあ。
(3)「めんどくさい」ことを避けない
最後はちょっと悩んだんだけどこれ。めんどくさいこととやりたくないことは違うと思う。
わたしがめんどくさがるのは物をすぐに片付けるとか、必要なときにあまり親しくない人に話しかけるとか、人と議論することとか、その辺である。
やりたくないことというのは夜遅くまで働くとか、気合に任せて何かをすること。(ほんと脱力系だ)
なので、引き続きやりたくないことは積極的に避け、めんどくさいことはちょっとずつやっていけるようにしようと思う。
--------
しかし日本にいたときは「新年」の到来をある程度厳かに受け止めていたのであるが、今年はニューヨークで引きこもっていたからか、あまり新年感がない。
初詣に行って、お雑煮食べて、つまらないテレビを冷やかして、ごろごろするっていうのは、気持ちを新たに何かを始めるのに大切な儀式なのかもしれない。そのくらいわたしにしみ込んでいるのかな…
ともあれ、チャイナタウンで旧正月を味わったので、今日からわたしの2014年ということにしよう。
ちなみに2013年の抱負はこんなんでした。(過去記事)
(1)人と自分を比べて、うらやましがらない、落ち込まない。
(2)お風呂に入らずに寝ない。
(3)ブログを1週間以上放置しない。
…うーん、お風呂以外はあまりできなかったような気もするけど、意識的になれた点ではよかったかもなあ。
うさ様
返信削除NYがきっかけでこちらのブログを知りまして、それ以来いつも楽しく拝見させていただいております。
コメントは初めてです。本の紹介や文化の事などの記事が特に好きで、読んだ後に何か残したいな~と思いつつ、ずっと読み逃げみたいになってしまっていてすみません。
今回は旧正月の記事ということもあって「ご挨拶するのにちょうどいい!」と思いまして送ってみました。今後のブログを楽しみにしております。
(※ブログは開設していないので、ハンドルネームのみで失礼いたします。)
さら様!
返信削除こんにちは!こんな辺境ブログを読んでいただいているだけでも嬉しいのに、コメントまで本当にありがとうございます。光栄ですー。
また、本の紹介は完全に趣味が偏っているのでちょっと恥ずかしかったりなんの意味があるんだろうと自問自答したりでしたが、楽しんでいただいているようでよかったです。
今後もたまにコメント欄でお話できると嬉しいですー。よろしくお願いします!
ブログを読んで何だか共感するというか、直接話したい気がしてコメントをとりました。アメリカはハワイにしか住んだことないけど、NYは5回ほど行っています。友だちがいるから。ハワイもNYも私には住みやすい場所です。オランダに住んだ経験から比較すると、NYは私のような日本人にとっては楽です。言葉は重要です。お金の面では日本よりも高いなって思うこと多々ありますが。心が自由になれる。ヨーロッパは合いませんでした。旅行では最高ですが。日本も住みにくくなりNYに行きたいです。
返信削除こんにちは!コメントありがとうございます。
返信削除オランダは住みづらかった、というお話興味深く読ませていただきました。
わたしは南ヨーロッパの某国に短期間住んだことがあるのですが、その時は本当に楽しかったので、その国やヨーロッパ全体にかなり良いイメージを持っています。
ヨーロッパと言ってもいろいろな国があるし、住んでいた時期や場所にもかなり印象は左右されるのかもしれません。ちなみにわたしの周りのヨーロッパ在住の人たちと話したところ、オランダは食事の問題もあるよね、という話になりました。
ニューヨークは住みやすいなあとは思うのですが、なんというか、市場原理主義のプレッシャーに疲れてしまうことがあるんですよね。これはどんな都会でも一緒なのかもしれません。
引き続きぜひよろしくお願いします!