2014-02-15

雪の日の過ごし方 勝手に日米比較

日本が大雪で大変そうだが、長く住んでいる方たちに言わせると、今年のニューヨークも近年まれに見る寒さと雪らしい。
今も灰のように大きなかけらの雪が落ちてきている。
先週も降ったし、2日前にも10センチくらい積もっただろうか。ここのところ、道路脇の雪は、消えそうになると新しい層を重ねて、べちょべちょになりながらもずっと存在を主張している。

ニューヨークで雪が降るといやなのは、道路の水はけの悪さである。
(DAILY NEWSより)
こんな風に、行き場のない水が道路に溢れていて、道を渡るのが大変なのである…
だからそのとき雪が降っていなくても、雪が降ったあとはしばらく長靴は必須だ!ということを覚えた。
油断して普通の靴で出てきちゃった人を尻目に水たまりに飛び込むときの爽快感ったら!
ということで、先日もうろたえる観光客っぽい人の前で得意げに水たまりに飛び込んだら、すぐ近くに浮いていた氷の固まりがはねて、長靴の口から内部に侵入してきた。
…やっぱり飛び込むのはやめよう。

◆◆◆

ところで、ニューヨークに暮らしていると、雪による予定キャンセルがよくあるなあと感じる。
ご飯を食べに行くとか、舞台を見にいくとかそういう約束は、たいてい大雪という情報が入った段階で相手から「今日は雪だから別の日にしない?」という提案がされる。

学校や会社がお休みになることも多いようだ。会社はまちまちなので、お休みにならない側の会社の人が文句を言っているのをよく聞く。
雪の日は何をするのもものすごく不安定で不便だし、家に帰れなくなる可能性があるので、人々はなるべく家にいられるようにするし、学校や会社もそうするべきと考えているようだ。

そんな「雪の日は家にこもるのが一番」派が多いニューヨークだが、de Blasioニューヨーク市長が、雪の日に学校を休校にしなかったということで批判を浴びているらしい。




市長の言い分だと家だとご飯が食べられない(!!)子供がいるので、通常通り学校を開いたとのことだが、まず学校まで行くのが大変だし、危ないじゃないか!ということで、決定に批判的な意見が出ている。
有名なお天気レポーターのAl Roker氏が市長の決定をTwitterで批判したというのも、議論の火に油を注いでいるようだ。




日本の大雪のニュースを見て、ニューヨーカーの「雪の日は家にこもる」という潔いまでの姿勢をちょっと見習ってもいいんじゃないかなあと思った。
日本では「約束は絶対!」という感じが強くないだろうか。

東京に住んでいた頃、雪が降ったから休みますとか、予定をキャンセルしますとか、なんとなく言いづらい雰囲気があった。
お店とかだと雪だろうがなんだろうがキャンセル料を取られたりするし(仕方ない理由もわかる)、公的機関は締め切りを過ぎたら受け付けてくれない。
こういう日本のきっちりしたところは正しいし助けられる部分も多いのだけど、行き過ぎると人々を危険な目に遭わせるんじゃないだろうか。

今回は天気予報が大きくはずれたという不運があるそうだけど、外を見れば大雪っていうのがわかっている状況なのに、
「電車を走らせろ!」とか、「宅配が時間通り届かない!」とか、「田舎で携帯が3Gしかつながらなくて遅い!」というような文句をインターネットで見ると、「サービスを提供する側も人なのになあ…」とものすごくやるせない気持ちになる。
わたしは、安全じゃないかもしれない線路を走る電車に乗る方が怖い。宅配便は雪がとけて道ができてからでもいいじゃん。こんな日なら携帯はつながるだけでもありがたいじゃないか!

人それぞれの事情があるのはわかる。でも大雪の日にまで、自分の行動を変えずに、最高品質を求めなくてもいいんじゃないかなあ。
もちろん、特にライフライン系のサービスを提供する側が、自然災害に備えた仕組みを準備しておくことは大切だと思う。
でも、サービスを受ける側も「雪だから仕方ない」って多少の不便や遅れや延期、中止とかの予定の変更を柔軟に許せるようになればいいのになあと思う。

日本では時間通りに走る電車や、時間指定配送、そして豊富な品揃えの24時間営業のコンビニや素晴らしい品質を誇るライフラインのおかげで、普段は制約のない超便利な生活ができる。
それ自体がものすごいことなんですよ!と制約ありまくりのアメリカから叫びたい…のはひとまず置いといて、そういう超便利な生活に慣れてしまうと、今回のような非常時に対する警戒心が薄れてしまうのかもしれない。

流通が途絶えて食べ物が手に入らなくなるとか、携帯がつながらなくなるとか、家に帰れなくなるとか、震災で経験したことも多いから、あの教訓を忘れてはいけないなあと自戒するのであった。

◆◆◆

長くなってしまった。
最後に、先月の大雪のときのアメリカのニュース番組のはしゃぎっぷりを紹介して終わりにしよう。

これは『TODAY』という朝のニュース番組で、日本の某ニュースのように、外からの中継を交えて生放送しているのだが、先月の大雪の日のセットはやけに大掛かりだった。

雪が降ってるのに、外にソファーを置いて、たき火してる…
さらにキャスターたちはニュースを伝えながら、長い棒にマシュマロを刺してあぶって食べているのである。お行儀悪い…
(ちなみにキャスターたちの前に置いてあるのはホットチョコレート)

でもって、あぶったマシュマロを指し棒にしてお天気を解説する人!!
…あ、これ、前述の学校を休校しなかったことを批判したAl Rokerさんじゃん…
大雪なのに外出てる…中でやってください…


雪の日は正々堂々家にこもろうぜ!!
…ということでこれをやって3連休が終わりそう。

いやーぷよぷよはやばい。いくらでもできちゃう。
インターネット経由で夫や日本の弟妹と対戦しております
…平和ぼけですみません。

以上、引きこもりに正当な理由ができてちょっと嬉しいわたしが雪のニューヨークからお送りしました。

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