2014-01-18

「日本はできちゃった婚が多い気がする」とアメリカ人女子に言われた話

先日、
「狙い通りできちゃった婚することになった」
という友人の話を少し書いたが(参照)、この話をアメリカ人女子にしたところ、
「日本って、できちゃった婚多い気がする」
と言われた。

この発言、ちょっと意外だったのだけど、確かに日本人以外の友達から「できちゃった婚しまーす」というのは聞いたことがないなあという気もする。友達少ない、個人の経験の話なのであてにならないのだが。

ちょっと調べてみたら、こんなニュースが出ていた。

As cohabitation gains favor, shotgun weddings fade (AP)

この記事によると、アメリカの結婚していないカップルに子供ができた場合、
・18.1%が同棲する
・5.3%が結婚する
らしい。(分母がよくわからないのだが)
ふむ、確かに日本だと子供ができても同棲のまま通すカップルは少ない。

なんで日本はできちゃった婚が多いのだろうなあ、と考える中で思い出したのが、だいぶ前に読んで、感想を書きたいなあと思っていたこの本。

(多くの人に読んでもらいたいので、どうかKindle版お願いします…)

この本の中に、
英語は「〜する言語」で、日本語は「〜なる言語」と言われています。
という一節が出て来る。
初めて聞いた言葉だったのであるが、以下の例文と解説を読んで、確かにわたしの日本人的感覚の中にも、そういう気持ちがあるかもなあという気がしたのであった。

(1)今度、結婚することになりました。
(2)We are getting married. (私たち結婚します。)

日本語では、上の(1)のような、なんとなく、なりゆきでそうなったかのような言い方が好まれるのに対して、英語では(2)のように、誰が、何をするのかをはっきりと表します。

「なりゆきでそうなったかのような言い方が好まれる」ということだけど、これは言い方だけじゃなくて、行動にも通じるのではないだろうか?
そして、できちゃった婚が多いように感じられるのは、「なりゆきでこうなった」を好む姿勢のあらわれのひとつなんじゃないだろうかと思ったのだ。

カップルに子供ができるというのは、一部は自分の行為の結果なのだけど、それでもやはり運や、自分でコントロールできないものが大きく作用する、「授かりもの」である。
さらに今は少子高齢社会で「授かりもの(=子供)」のありがたさは社会的に広く認められていて、世の中の判断基準における優先順位は相当高い。まさに子は宝、子供様々である。(保育園問題とかはちょっと置いておいて)

そのありがたい授かりものは「なりゆき」に流される、「不可抗力」だったり「必然性」にぴったりである。
「なりゆき」に流されることが悪いと言いたいわけではない。(「狙い通りできちゃった婚」というなりゆきを作るのは大変そうだし…)
おそらく、できちゃった婚が少ない社会というのは、社会制度とか、慣例とか、そういうものも手伝って、子供というきっかけが結婚するという「なりゆき」を作らない社会なのかもしれない。さらにもしかしたら「なりゆき」という概念すらないのかもなあとも思えるのだ。

「なりゆき」でするのは、別に結婚だけじゃない。
受験とか就職活動、仕事のやり方、人間関係にもどこか通じるものがある気がする。自分のできることをできる範囲でやって、想定内の結果を得るのはなりゆきまかせだ。
(ああ、全部自分に突き刺さる…)

逆に言うと、流される「なりゆき」がない場合や、流されたくない場合は、自分で何か行動をしなければいけなくて、これはけっこう疲れる。
なんで疲れるかって、自分の判断基準に毎回きちんと向き合わなければいけないし、努力を要する場合も多いからだ。
もちろんわたしは努力至上主義とかではないので、人生おもしろければなんでもいいかもなーと思っている。

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ちなみに英語でできちゃった婚は「shotgun wedding/marriage」と言う。
妊娠させた男性に対して、女性のお父さんがショットガンを向けて結婚を迫った、という逸話からつけられた言葉だそうだ。

決して下ネタ的発想から来ている言葉ではないらしい…なんてことを確認して、さらにここに注意書きとして書いてしまうわたしの思考回路が恥ずかしいのであった。

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(2014/1/20追記)
ちょうど関係するような記事を見つけたので、載せておきます。
中国では未婚の母は最後のタブー、とのこと。

For Chinese women, unmarried motherhood remains the final taboo(The Guardian)

法律で1997年まで禁止されていた、っていうのがすごいな…

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