2014-05-04

父親が入院してみて思ったこと(超雑感)

父が突然入院した。
具合が悪いと外来にかかったその日のうちに手術をすることが決まり、そこから入院。大した病気ではないらしく、1週間くらいで退院できるのそうなのだが、少なからず驚いた。
母から突然「父が手術しました」というLINEが来て知ったくらいなので、日本へは帰っていない。

今回のことでの妹の活躍っぷりったら半端ない。
父がいない間、家や父の会社のことをいろいろ手伝ってくれた。
妹は実家を出ているのだが、比較的実家に近いところに住んでいる(田舎の「比較的近い」なので車で1時間以上はかかる)。
今回、たまたま妹が仕事をやめる直前だったので時間の工面がつけやすく、実家を手伝うことができた感じである。
看護師なので病気についても説明してくれるし、病人(父)の扱い方もうまい。
ちなみに弟は日本の大企業に勤めているのだが、休日出勤、深夜残業、なんでもござれな感じで忙しい。(お給料はよさそうなので、ブラック企業なのかはわからない)
でもって私はニューヨーク…
妹が「お姉ちゃんとお兄ちゃんが遠くに住んでるから、わたしばっかり手伝わされた!」と文句を言うのも仕方ない。
そんな頼れる妹は、今年の夏からしばらく留学する予定である。
妹が遠くにいる間、実家の両親に何かあったら!?と考えたら不安になってきた。

今後、親が体調を崩す可能性はどんどん上がるだろう。
そんな中、「東京の大企業で働く」とか、「ニューヨークで働く」っていちばんいい選択肢なのだろうか?
さらに、子供が生まれたらどうだろう?
突然父が死んだら?会社や残された母、実家はどうする?

わたしの実家は東京へ新幹線通勤ができる場所だし、夫の方の家族のことをあまり考えなくていいのでまだましな方なのかもしれないが、30歳を過ぎてやっとややこしい家族や社会についてまじめに考えるようになった。
その中で、「東京近郊に住んで、都心で大企業に勤める(転勤のおそれあり)」というモデルは、仕事内容に対してお給料はいいかもしれないし、明日食べられなくなるという心配はあまりしなくていいけど、田舎の実家のことを考えると、柔軟性のなさがなんだか違うなーと思い始めたのである。
それにひきかえ、看護師の妹の柔軟性ときたら!例えば今回のように親の具合が悪くなったら面倒を見るためにちょっと仕事をやめて、またどこかに戻るということが可能である。「手に職」は強すぎる!

実は、妹は兄弟の中では学校の成績が悪く、「職にあぶれると困るから」という周囲からの強い勧めを受けて看護師という職業を選んだという経緯がある。
そこそこ成績が良かったわたしと弟は、周囲にいろいろ言われることなく進路を決め、田舎を脱出して東京の大企業に職を得たわけだが、こういう事態にはなんの役にも立たない。できるとしたら多少の金銭的援助くらいである。
しかし、日本のすばらしい皆保険制度のおかげで、今回は金銭的援助は必要なかったし、お金で解決できないことがたくさん顕在化した。そうなると、わたしと弟の進路は、正しい選択だったのだろうかと考えずにはいられないのである。
(とかえらそうに書いていますが、しょせん田舎レベルなのですみません…)

父はもう70歳を超えているのだが、まだ働いているのもあって、現代の同年代の人たちと同じように元気に見える。
しかし、年に数回しか会わないようになってもう10年ほど。会うたびに、記憶の中にいる「一番一緒に時間を過ごした頃の両親」の姿と比べて、「あれ?なんだかお父さん(お母さん)、疲れてるのかな?」という違和感を覚えていたのだが、きっとそれは老いなのだなーということにやっと気づいた。

声に張りがないとか、
顔色が前よりよくない気がするとか、
父が食事を気をつけなければいけなくなってるとか、
母が車を運転しなくなったとか(事故を起こしてやめたらしい。電動自転車をあげました)。

別に「親孝行しなきゃ!」とかはあまり思ってないのだが、70歳男性の平均余命が15年と見ると(ソース・厚生労働省)、ちょっと考えさせられる。
1年に2回しか会わないとしたら、あと父と話せるのは30回ほどだ。
実際話してみると、そんなにおもしろくないし、間が持たないことも多々あるんだけど、30からカウントダウンしていくと、1回1回を大切にしなきゃって思うものなのかもしれない。
そして、たいてい、カウントダウンの終わりは突然訪れるものだ。

とりあえず次に帰ったときは、ちょっとした退院祝いとともに、「いろいろありがとう」くらい伝えてみようかな。
ちょびっと恥ずかしいけど。

あと、家族できちんと話そう。これまで、「すぐ会えるよね」と思って、将来のことをちゃんと話したことがなかったのだが、遠くに住む者として、そのくらいはきちんとするべきだろう。
母と妹には温泉旅行でもおごって感謝の気持ちを表さなければ!


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