2013-08-10

日本の素晴らしさをニューヨークで叫ぶ

先日、仕事の関係で日本に一時帰国した。
本当に短い期間だったんだけど、半年ちょっとニューヨークに住んでみてから東京(と地方都市の実家)に戻ってみて、ああ、わたしはやっぱり日本が好きだなあと自分の気持ちを再確認したのであった。

【日本のいいところ】
(1)きれいで安全
もう誰がなんと言おうと、これでしょう!これまでに多分25か国くらい行ったことがあるけど、人がちゃんと生活している感じをさせながらも、日本ほどきれいで、夜でも怖くないと思える場所って本当に稀有である。先日も書いたけど(参照)、モントリオールとミュンヘンはけっこういい線いっている。
記憶の中の新宿は全部歌舞伎町のようにくさくて汚い酔っ払いの街だったけど、あれだけ人が多い東口ですらゴミはほとんど落ちていないし、業務ゴミが山のように積まれているなんてこともなく、この面での日本の快適さに感動すら覚えた。ゴミを朝回収してくれるというのは日本のきれいさにかなり貢献していると思う。ニューヨークだと夕方に回収している地域もあって、特に夏は食べ物屋さんの前を通るときは気分が悪くなる。
人種の問題もあるのかもしれないけど、人が集まるところに特有のにおいがなくて、不快なにおい大嫌いなわたしは成田空港に降りたった瞬間から快適そのもの。石鹸とかも変なにおいしないし、無臭の製品多いし、すばらしい…
昔より危なくなったという意見はあるかもしれないけど、遅くまで飲んで、酔っ払い状態でも公共交通機関で何も怖さを覚えずに家に帰れるのってやっぱりすごい。

(2)ごはんおいしい
日本人だからかもしれないけど、野菜とかお魚とか、あっさりしたものが多くてうれしい。味つけもやさしい。ひさびさに食べた青じそドレッシングのおいしさに気絶しそうになった。
いいかニューヨーカー!どうせローファットを好むなら牛乳だけじゃなくて食生活全体のバランスを考えるんだ!と叫びたくなるくらい。(全ニューヨーカーのみなさんすみません)
ということで、日本で食べた感動ごはんの写真を少々。
六本木の『豚組[しゃぶ庵]』さん。ここはしゃぶしゃぶはもちろんのこと、サイドメニューも繊細でおいしい。こちらはいちじくのふろふき。なんて繊細な!いちじくの自然な甘みとお味噌が日本の素晴らしさを8割くらい物語っている。はい大げさです。当然メインのしゃぶしゃぶは安定のおいしさ。一緒に行った友達も喜んでくれて本当によかった。次回帰国時も絶対に行くぞー!

最近観光スポットとして話題の信州は小布施の『竹風堂』でいただいた栗おこわセット。
もちもちしたおこわはもちろん、鮎の甘露煮やら、山菜やら高野豆腐やらお漬物やら…ぎゃああおいしい。お肉やとか海の魚介類を使わなくてもこんなに満足なご飯が食べられるなんてすごいぞ日本の田舎。
ところで上の真ん中にあるすりばちに入ったものは「むかご」の胡麻和え。むかごとは長いも(母談)を収穫するときにいっしょに根についてきた小さなおいもなのだそうだ。味や食感は里芋みたいなかんじでほくほくしている。こういう、「捨てられちゃうところ」を食べる文化に感動するわたし、「もったいない精神」がどこまでも染みついた日本人である。おいしかったーーーー。

こちらは『築地 奈可嶋』でいただいた松前丼。いくら…とびこ…昆布…温泉たまご…!!!とまたもや感動しきりである。
盛り付けは美しいし、味付けは繊細。これが東京のど真ん中で1200円で食べれちゃうってどういうことなの、日本!!ニューヨークで12ドルで食べられるものを考えると気絶しそうになる。

こちらは焼き鳥屋さん、『阿佐ヶ谷バードランド』。焼き鳥は言わずもがなでおいしかったのだけど、このミョウガに白みそを塗って焼いたものは季節を感じられるし、ミョウガひさしぶりだし、お味噌との相性がめちゃくちゃいいしで感動した。こういう繊細かつシンプルな食べ物はやはり日本すばらしい。はあああああ。
そして、阿佐ヶ谷といえばここ。ジェラート屋さんの『SINCERITA』である。アメリカでこれでもかーーー!というようなあまーーーーいジェラートを食べていたので、果物や素材の味がしっかり感じられるこちらのジェラートは、郷愁の念を抱かせるのに十分な威力で…ううう…写真は前から大好きだったお豆腐とアールグレイのジェラートの2種盛り。
はっ、いかん、ごはんの話で盛り上がりすぎた。続きいってみよう。

(3)便利で効率的、いろんなシステムがすごい
東京駅のお手洗いの中に、こんな表示があったのである。
ちょっとわかりづらい構造のお手洗いの空き状況がわかる表示。すごい。そういえばラーメンの『一蘭』もこんな表示があったりするよなあ。

さらに、久々に駅の自動改札を通ってみて、「これものすごい計算をものすごいスピードでさせてるよね」ということに気づいた。ニューヨークの地下鉄はどこまでいっても均一料金2.5ドルだし、郊外に行く電車では電車の中で検札の人が回ってきて、切符をチョキンと切られる。そのおかげで、降車のときの改札はスルーできるわけである。
しかし日本では、どこの駅から乗ったというデータをSuicaが記憶していて、降りるときに自動精算。新幹線とかの長距離電車はまず改札を2段階にすることで無賃乗車をブロック、検札の人はくるけれど、指定席だったら基本的には車掌さんの持っている端末におそらく自動で飛んでくるデータと座っている人を確認することで、声をかけたり切符を切ったりはしない。降りる駅の自動改札が最後の関門になる。

マニュアル化されたコンビニやチェーン店の接客、シンプルすぎるくらいのビジネスホテルと、とにかく便利さや効率性をどこまでも上げていこうとするところはすごい。もちろんオートメーションによって人間の雇用が…という点はあるかもしれないけれど。
そういえば今回、仕事で会った人が「お客様満足が大切なので」ってやたら言っていたのが気になったな。目に見えにくい指標だけど、利益度外視でお客様は神様です!って思っている人は結構いそうである。

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ああ、他にもかゆいところに手が届くとか人が優しいとかいろいろあるけれどこの辺にしておこう。一応日本のいやだなーと感じたところも書いておこう。差引いても絶対日本はいいところだけどねえ。

【日本のいやだったところ】
(1)ベンチがない
東京は本当にベンチがない。ちょっと疲れたから休みたいなあというときに座れる場所がないのは、本当に不便である。文化の差なのか、ホームレス対策なのか?ともあれ、これから高齢化社会が進むのだから、もっと街の中にベンチがあってもいいと思う。
ホームレスと言えば、ニューヨークのホームレスの人々は夜になると教会の近くで眠るようだ。日本だとそういう場所がないもんなあ。うーん。

(2)フリーWi-Fiや充電できる場所がない
成田にはついにWi-Fiが入っていた!!やっと、という感じである。
そのほかのお店はいろんなプロバイダーのWi-Fiだけど、日本の携帯会社と契約していない人は使えないし、日本語がわからない観光客の人のことを考えるとただでさえ英語の看板が少ないので、とにかく気の毒である。
あと充電できる場所がないのも痛い。電気屋さんの店頭に充電する機械あるけど、あれに入れちゃったら使えないし。充電しながらフリーWi-Fiで旅の計画を立てられるような場所があってもいいと思うんだよなあ。
でもって、お店で充電を頼んでも、マニュアル化されているので融通がきかなくて断られるとかはちょっと悲しい。

(3)話が長いような?
仕事の関係で色々な人にあったんだけど、みんな予定している打合せの終わりの時間を考えずにしゃべるしゃべる。キャッチボールというよりは一方的な演説みたいな。どこが大事でどこがそうでもないのか、という判別がなかなか難しいし、いやどちらにしてもお客さんだからさえぎれないし…と言う感じ。よく言われる、始まる時間の遅刻にはうるさいのに、終わる時間にはルーズとはこういうことだったなーというのを思い出したのであった。

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他にも、日本の保守的な人(おもにおじさん)がうざいとか色々あるけど、とりあえずこの辺で。前にも書いたけど、こういう嫌なところを補って余りある良さがあるぞニッポン。

ちなみに日本最高!というのはBBCの調査でも明らかにされておりますぞ。

BBC poll: Germany most popular country in the world(BBC)
今年は世界4位。上位がドイツとカナダというのが非常に納得できる。(UKについてはわたしは相性が悪いので略)

日本の素晴らしさにしみじみしていたら、ちょっと前に読んだこの本を思い出した。
 
パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54)(海部未知)

いや、ほんと仕方ないです。引きこもりたくなりますってあの快適さ…ということで、しばらく日本の思い出に浸りながら、つらつらと書いていきたいと思います。
実は来月も日本に行くのですが。ははは。

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