2015-05-02

江戸時代の猫好きに邂逅!NYジャパンソサエティーの猫浮世絵展

Anche il più piccolo dei felini, il gatto, è un capolavoro.
猫はどんなに小さくても、最高傑作だ。 −レオナルド・ダヴィンチ
わたしの周りには猫好きが多い。類は友を呼ぶというやつである。この猫好き隊、猫の動画や画像を見つけては、本文なしのメールを唐突に送りつけあっている。

ある日のこと。隊員AからいつもどおりURLしかついてないメールが来たので即開けた。そう、わたしにウィルスを送るなら猫好き隊員の誰かになりすますのが一番である。
http://www.japansociety.org/event/life-of-cats-selections-from-the-hiraki-ukiyo-e-collection

な…なんということでしょう…
浮世絵☓猫!!大好物に決まってるじゃない!

…ということで、ニューヨークまで猫詣に行くことにした。

ああ…もう、この丸い背中がたまらない。なぜか写真を撮ってこなかったんだけど、この作品ももちろん展示されていた。猫様…

展示によると、日本に猫がやってきたのは6世紀なかば。中国からの仏教伝来にともなって、猫もやってきたらしい。日本文学の中で最初に猫が出てくるのは源氏物語だとか、そんな猫好きにはたまらないエピソードも書かれていた。

とにかく作品は猫、猫、猫!である。こんなに見たいものばっかりある感じ、なんだか全盛期のバンドのベストアルバムみたいである。(ところで今でもベストアルバムってあるんだろうか?)

美人画に入り込む猫様たち。手とか姿勢とか、もうこの作者ほんとに猫好きだよね、というのが伝わってくる。

月ごとに女性と猫を組み合わせた浮世絵。これは9月で、菊と着飾った女性とごろんとしている猫の組み合わせがーーー!もう、かわいい。

かつお節の上を闊歩される猫様。こういうのを見ると、日本人の擬人化技術は先祖から脈々と受け継がれてきたものなのだなあと思う。

ど、ドラえもん…!?と思ってしまう、猫を囲む枠。

こちら、化け猫コーナー。透ける素材ののれんに悪そうな猫のシルエットが浮かび上がってていいかんじ。

猫が描かれた戸。このまるっこい葉っぱの植物なつかしいなあ。

猫のきせかえ風の絵。ここでも擬人化である。

千と千尋を思い出させる猫温泉。この温泉行きたい…

さすが江戸時代というべきか、東海道五十三次をネタにした作品は多い。これは各宿場町のイメージと猫を合わせたものらしい。

これはすごく気に入った作品!東海道五十三次の宿場町の名前をもじって、猫と一緒に描いたもの。例えば日本橋だったら「にほんぶし」で、2本のかつお節と猫が描かれているのだ!解説にも「すべての語呂合わせがうまく言っているわけじゃない」と書いてあったけど、なんとも江戸っぽい楽しい遊びだ。いいなあ。

ということで、猫好きとしては12ドルの価値は十分ある、すばらしい展示だった。訪れている人は猫好きばっかりっぽく、みんな顔をほころばせながら、というかにやつきながら眺めているのがまたいい。6月7日までやっているようなので、猫と美術が好きな人には心からおすすめする。

今回の展覧会に持って来られた浮世絵、日本ではどこで見られるんだろう?と思って調べたところ、平木さんという人のコレクションで、豊洲にあった美術館が数年前に閉館してしまったらしい(これだと思われる)。ええええーーーこんなに素晴らしい作品がただ保管されてるだけなんてもったいない!と思ったのだが、作品の貸出しをしているようでとりあえず胸をなでおろした。どうやら前に日本でも同じような展覧会をやっていたようなので(これ)、またどこかで見られるとうれしいなあ。

先日、猫好き隊員Bから送られてきた猫ネタを貼り付けて、今日の記事を終わりにする。


う、生まれたての子猫の生中継ですよーーーーー!!!なんてすばらしい世の中になったんだ!
猫好き隊のあなたはこちらからどうぞ。

Tiny Kittens(live stream)

※以前、冒頭のことわざが英語でしか見つからなくて、うっそだーとか言っていたのですが(過去記事:北米初上陸!ニューヨークの猫カフェへ行ってきた!)、なんとわざわざイタリア語バージョンを探してきてくださった方がいらっしゃいました。インターネットすごい。akikom_さん、ありがとうございました!

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