2018-10-22

『朝が来る』読書感想文 〜つらいフィクションは現実の鏡〜



特別養子縁組を題材にした小説『朝が来る』を読んだ。最近、養子を迎えたところ(試用期間中)なので胸に迫るものがあり、文章にしてみることにした。(noteに書いた文章の再掲です)

ひとことで言うと「つらい」

解説には、「このラストシーンはとてつもなく強いリアリティがある。」と書かれている。しかし、この解説にはあまり同意できない。いい意味でドラマ感満載のラストシーンより、そこに至るまでのふたりの主人公、養親の佐都子と実親のひかりの境遇があまりにもリアリティに溢れていて、それがつらかった。


仕事から不妊治療、養子を検討するまで

たぶん、わたしの友達や30代中盤から後半の人がこの本を読んだら、佐都子に感情移入する人が多いかもしれない。仕事は楽しい、夫とふたりの生活もエンジョイしている。結婚◯年、気づいたら子どもがいない。これでいいのかと考えて、子どもがほしいと思い、不妊治療を始める。最初、夫は協力的でない。悩んだ挙句、高度な治療を始めて、結果に一喜一憂する。実家が心配と称して干渉してくる…

あー、書いててつらい。リアルすぎる。特別養子縁組に至るまでの佐都子夫婦の境遇は40代の足音が聞こえてくるわたしの周りで起きていることそのものだ。
特別養子縁組に至るまでの部分は経験した人は少ないかもしれないが、こちらもやっぱりリアリティに溢れている。特に、支援団体の説明会が迫真の描写と言える。会場の重苦しい空気、40代以降が中心の参加者、みんな不妊治療で追い込まれている、養子は「普通の家庭」からはやってこないという説明。ちなみに本作では割愛されていたが、現実では説明会の後でこれまた厳しい(団体による)審査があって、期待値が低い不妊治療ギャンブルとはまた違う、人にジャッジされるつらさもあったりする。


妊娠で追い詰められる若い女子

一方、中学生で妊娠して、子どもを産むことになるひかりの人生は、なかなか想像しづらいかもしれない。しかし、14歳以下の妊娠は30年前に比べたら増えているし(2015年で年間42件)、中絶数も変化していないそうだ。

本人の意思も確認せず、娘の妊娠を受け止められない母親が段取りをして、妊娠の事実がばれないように遠方の支援団体へ行かされる。出産した子どもを佐都子夫妻に託し、元の生活に戻ろうとするが、子どもの父親である彼氏はなかったことにしているし、高校受験にも失敗。家族との関係は悪化の一方で、高校在学中に家出してしまう。信頼できる人が誰もいない場所で、未成年のひかりはどんどん追い詰められていく。実子を託した佐都子が武蔵小杉のタワーマンションで幸せな日々を送っているのとは対照的で、若年妊娠の問題点を突きつけてくる。


フィクションだと知っておいてもらいたいこと

リアルだと言い続けたこの作品だが、すべての特別養子縁組がこうではないというところはつけ加えておきたい。特別養子縁組の支援団体は厚労省に届け出たところだけでも29あり、それぞれ方針が違う。

・ひかりが出産後、赤ちゃんを1回しか抱っこできなかった
・ひかりが佐都子の住所を知らされていなかった
・養親登録をしてからは避妊する、不妊治療をやめる必要がある
・養親登録にあたって、養親側の事情を考慮する(作中では、「個々の事情への対応を検討」と団体の人が言っている)
あたりは本当に団体によって異なるので、書き添えておく。


つらいフィクションは現実の鏡

作者は「報道やノンフィクションでないからこその、小説だから描けることというのもあると思うんです」と話しているが、本作はほとんど現実だ。だから読んでいてつらい。今日も日本のどこかで、子どもができないことで親族から責められる人、不妊治療の経過に一喜一憂する人、予期しない妊娠をしてしまった人とその家族がいる。彼らと子どもが幸せになれるように、後悔のない選択ができることを祈るばかりだ。

2018-10-04

3人家族になりました(試運転中)


産んでないけど、家族が増えました!

生まれたばかりの男の子が、わが家にやってきた。子育てはしたい。でも時間とお金とストレスがかかる妊活にはテンションが上がらない。そんなわたしたち夫婦は、最近、特別養子縁組の支援団体に登録したばかりだった。法律で定められている6ヶ月の監護期間を経て、実の家族になる予定だ。

特別養子縁組で子どもを受け入れるためには、法律で定められたそれなりのボリュームの研修を受ける必要がある。研修の科目を見てもらうと、妊娠したときに受ける両親学級とはけっこう中身が違いそうな感じがする。

【養子縁組里親研修の内容】
  • 児童福祉論(講義) 
  • 養護原理(講義) 
  • 里親養育論(講義) 
  • 発達心理学(講義) 
  • 小児医学(講義) 
  • 里親養育援助技術(講義) 
  • 里親養育演習(講義・演習) 
  • 養育実習(実習) 


(参考 厚労省



子どもの持つ「よい環境の中で育てられる」権利や、保護者の養護を受けられない子どもを社会的に保護する「社会的養護」についても学んだ。

「養子を育てる」と伝えたときに、「自分で産んだ子をかわいがれないなんておかしい」と産みの母親を非難をする声がたまにある。もちろん、その妊娠が幸せなもので、生んで育てたいという人がいたら、その意志を尊重するように行政がサポートすることはとても重要だ。でも、そうじゃない妊娠・出産はどうしても発生してしまうだろう。その中で生まれた子どもと実の母親が幸せになるために、養子縁組というのは選択肢としてあるべきだ。


今回、急に育休を取ることになったが、友人や会社の人たちのサポートが手厚くて、感謝しかない。たくさんの人たちが祝福してくれたし、わたしたち夫婦の決断を勇気あると讃えてくれる声もあった。ベビーグッズもたくさんもらった。哺乳瓶とおむつくらいしか買ってないよ本当に。

また、養子縁組をすると伝えたときに、「今まで誰にも話したことないんだけど」と前置きをして、自分の家族について話してくれる人がたくさんいたことも印象的だった。

「子どもがいないことを気にしていて、夫婦で養子縁組について考えたことがあるけど、うまくいかなかった。だから応援したい」

「経済的な理由で一番下の子どもを中絶しようと思った。でもとても立派に成長したので、やっぱり育ててよかったと夫婦で話した」

こんな話だ。割と仕事で成功しているおじさまたちからこんな話を聞いたので、そんな悩みがあったんだと驚いた。子育てについて思うところがあるのは子育て世代だけではないのだと気付かされた。「わかりあえる」と言ったら失礼かもしれないけど、目指す社会の姿を共有することはできるかもしれないと思った。


正直、まだ実感がわかないし、「息子」と呼ぶのもなんとなく気恥ずかしい。重い責任がのしかかった感もある。でも、毎日新しい発見があって、それを大好きで尊敬しているパートナーとわかちあうのはとても幸せだ。ここに至るまでの義実家とのバトルを忘れるくらい、充実した時間が流れていく(遠い目)

わたしの人生を記した本があったら、新しい章に入った気がする。章のタイトルはまだない。

2018-02-18

ダイソンの軍門に下りそう



ダイソンのドライヤーを買ってしまった。

結婚当初に友達がくれたドライヤーが壊れたのだ。仕方ない。買うしかない。悩んだあげく、パナソニックの高級ドライヤーの2倍くらいの価格のダイソンに手を出した。わたしはマイナスイオンを信じていない。

さすが「家電界のアップル」と言われるだけあって、パッケージがとってもおしゃれ。



いたるところにdyson、dyson、dyson。ブランド押しが半端ない。さっそく使ってみた。

□いいところ
・髪の量多め、背中までの長さのわたしの髪を5分弱で乾かすパワー(前に使っていたドライヤーの半分くらいの時間)
・ヘッドが軽くて動かしやすい(モーターが持ち手部分にあるので)
・温度が低めなので、髪の毛が痛まなそう

□イマイチなところ
・不器用なわたしはアタッチメントをほとんど使わない
・風が強いので髪の毛が絡まる

アタッチメントの使い方はこちらの動画でどうぞ。いや使わないんだけど…


使い始めて1ヶ月ほど、前より癖毛が出づらくなったし、朝の寝癖直しも短時間で住むようになった。(なにより、5万円弱もしたので満足していると思い込まないといけない。それがたとえ認知のゆがみだろうとも…)

ドライヤーですっかりダイソンの魅力にとりつかれたところ、やはり結婚当初に買ったエレクトロラックスの掃除機のパワー不足が気になってきた。


か、買ってしまった…

v7はエントリーモデルのv6とハイエンドモデルのv8の間に位置づけられたモデル。店頭で試したところ、硬い床の猫砂を簡単に吸い取る! パワーはハイエンドじゃなくてもよさげ。フローリングオンリーの狭い我が家は30分もあれば3周くらいは掃除機がかけられるので、「フラッフィ」にした。(アニマルプロの方はカーペットとかの家におすすめだそうだ)

v6ユーザーの友達に「買ったその日にベッドのマットレスにかけたらやばかったよ…」と言い含められていたので、当然やってみた。(以下、汚い画像なので注意)


おわかりいただけるだろうか…左側にほこりがたまっております…

□いいところ
・超強力(猫砂も、目地の間の小麦粉も余裕!)
・そこそこ軽い
・ゴミ捨ての機構がかっこいい(↓)

□イマイチなところ
・指でスイッチを押し続けないといけない
・色がスーパーロボットっぽい(夫に「スーパーロボットだったら、シルバーの部分が白だよ」とつっこまれた)

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ところで、ダイソンのサポートはシリアルナンバーをwebから登録するのだが、何度やっても掃除機のものが入らない。 あきらめてサポートに電話したところ、

「他にダイソンの商品をお持ちの場合、webから登録できなくなっておりますので、お電話で承ります」

えええーーーー……この辺、家電界のアップルとしてもうちょっとがんばって、と思った。そしてさらに衝撃な事実が丁寧に告げられる。

「次回以降、もしダイソンの商品をお買い上げの場合、お電話いただければかなりお買い得な価格をお知らせできますので、ぜひご利用ください」

まじかーーーーー早く知りたかったよーーーーー。

さすがにもう買うものがない。しかし、次の夏の気候によっては……扇風機……ありえる……

2016-02-20

「女性活用」で男社会で利用されそうになったわたくし


年末からいろいろアイタタタな事件がたくさんありまして、2016年初のブログ投稿になってしまった…あ、あけましておめでとうございます!きゃー。

さて、最近日本では、「一億総活躍」とか「女性が輝く社会」とか、まぶしすぎて涙で明日が見えないお題目を掲げた取り組みが絶賛進行中。うざいなーと思いつつ、自分には関係ないと思っていた。活躍はしていないし、輝いてもいないが、ともあれフルタイムで働いて年金納めているし、悩みと言ったらコウノトリがいっこうにやってくる気配がなく、出生率1.8目標にはまったく貢献できなそうな上に、「仕事忙しいから、子供なんて無理だよねえ」みたいな勝手な哀れみを、あんまり自分のことを知らない人に投げかけられるくらいだったからである。

相変わらず無頓着なわたくし。駐在生活も3年が経って、鈍感なわたしでもわかるくらい、日本へ帰らなければいけない雰囲気が漂ってきていた。本社側の人事担当の上司に希望の部署を聞かれたので、今の仕事と連続性がある、本社の仕事をいくつか言っておいた。

1月のある日、その上司から、「春には異動する」と教えられた。どこに行くんですか?と聞いたところ、こんな風に返されたのである。

・まだ決まってないから具体的な場所は教えられない
・でも東京じゃない。地方都市
英語と、ある分野の技術力が必要なポジション
突然言われたわたしは、「ぽかーん」である。10年ちょっと働いて、さすがにいろいろわかっているはずのこの会社で、この条件に当てはまる部署がまったく思い浮かばなかったのである。

さらに、地方都市って。上にも書いたとおり、希望は本社の部署だったわけだが、それは自分のことだけでなく、夫がいるからである。確かに駐在員になって以降、夫はずっとわたしについてきてくれて、フリーで仕事をしているが、地方都市となるとちょっと勝手が違ってくる職種なのだ。というのも、夫のスキルが使える仕事はアメリカではたくさんあるが、日本だとほとんど東京にしかない。

そして一番謎だったのは、結婚しているとわかっているのに、妊娠率低下が叫ばれる微妙なお年頃の女性にひとことも相談せず、勝手に進めていた上司の常識だった。ちなみにこの上司、今まで女性の部下がいたことがないらしい。

こいつはだめだ…、と思ったわたしは、アメリカ人ボスに話し、日本にいる元上司や同僚にがんがんメールを送った。けっこうな情報を集めた結果、わたしは会社の「女性活用」施策のせいでこんな目に遭わされたということがわかってたのだ。顛末はおそらくこんな感じだ。

(1) ある支社が新しい部署を立ち上げようとしている
(2) これは、支社トップの鳴り物入りのグローバルプロジェクト。うまくいったらすごいけど、地雷だと思われている
(3) 自分の手は汚したくないけど、うまく行ったときのために恩を売っておきたいなーと思う人多数
(4) 最近「女性活用しろ」って言われてるから、立ち上げついでにメンバーを女性中心にしよう
(5) プロジェクトリーダーは、英語ができる女の子を引っ張ってきたけど、その人は営業で、技術者じゃない
(6) リーダーを助ける人を探すべく、英語ができる技術者いない?と社内で募集をかけるも、めぼしい人材見つからず(=そんな人は、地雷プロジェクトに行きたくない)
(7) 「支社に異動できる」+「」+「英語」+「技術」な奴いない?と支社トップがえらい人に捜索願い
(8) 「おっ、これは恩を売れそうじゃん」と人質を差し出す奴発見!

もうつっこみどころが満載すぎて、どこからつっこんでいいかわからない。なんか書いててこんなところで働いているのか…と悲しくなってくる。

もちろん、会社の一員としてはこのプロジェクトがうまくいってほしい。だけど、じゃあわたしがこのプロジェクトのために、単身赴任を考えたり、夫を扶養家族にしたいかと言われたら絶対にNOだ。というのも、

ギャンブルの掛け金にされるほど、今の上司に恩義はない
対価がない(別にお給料が上がったり、昇進するわけでもない)
・わたしは技術系だけど、その分野の経験はない
・今の仕事とも連続性がない、これまでの経験が使えない
・単身赴任なんかしたら、ますます妊娠の可能性が下がる
こんな仕打ちを受けて、生まれて初めて、あんまり眠れないし、食欲もないという日が続いた…わけではなかった。というのも、この状況を知った現在のボスや、東京の元上司たちが、いっせいに怒ってくれて、一瞬で支社行きの芽をつぶしてくれたからである。

社内のシステム上に入っているスペックを見て、ひとことも本人と話さずに「アメリカにいる理系女子」というなんとなくの経歴だけで見定めた人たちに対し、ボスたちは、わたしの悩みや考えを聞いてくれて、一緒に仕事をした経験も踏まえて、代わりとなる次のステップを用意してくれたのだった。これについては感動を禁じえない。(でもさすがに初日は、「こんなことする人がいるんだ…」というのに衝撃を受けすぎて、眠れなかったし食べれなかった…) 


…さすがにちょっと詳しく書きすぎた気もして怖いのだが、言いたいことは、

自分の評価のために、「女性活用」を利用するな。

ともあれ、プロジェクトの成功を東京からお祈りしております。

2015-12-16

選択型夫婦別姓への道が遠くて悲しい

悲しすぎて筆ならぬキーボードをとりました。

夫婦別姓認めない規定 合憲判断も5人が反対意見(NHKニュース)

女性裁判官は全員が「違憲」意見 夫婦同姓の合憲判決(朝日新聞)


違憲判断(+損害賠償)は難しいだろうとは思っていたけど、15人の裁判官のうち、実際に改姓のめんどくささを実感したであろう女性が3人しかいないというところに日本社会の縮図を思う。

判決をひかえて、ソーシャルメディアにも「夫婦別姓」の文字が飛び交っていた。わたしは「選択型」だったら別にいいじゃん、というかお願いします!と思っているのだが、それでも反対する人が多いことにびっくり…というか、ほとんど悲しい気持ちになった。反対派のよくある主張にわたしの考えを書いておきたい。



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よくある言い分① 家族の絆が壊れる


苗字が同じということがどの程度家族の絆を保つのに役立っているかというところに大きな疑問がある。苗字が離婚への抑止力になるというのなら、これまで同姓だったけど離婚する人が3割いるのはどう説明をつけるんだろう…

そもそも、結婚した時点で離婚はしたくないものだし、それでも離婚に至るにはやっぱりいろんな問題があると思うので、それに対する苗字の因果関係はどうしても見出せないのだった。


よくある言い分② 同じ姓にしたくないなら結婚するな


この主張はとっても新鮮だったし、そういう観点で結婚を捉えたことがなかったのでけっこう考えさせられた。わたしは「この人と一緒に生活するためには結婚という手段が一番合理的」という理由で結婚した。同じ苗字になるのは本当に余計な必須事項なんですが…

これは「結婚=同じ姓を名乗らなければいけない」という決まりに疑問を持たない、とっても優等生的な主張だと思う。


よくある言い分③ 子供の名前はどうするの?きょうだいで名前が違うの、混乱するでしょ


子供がいないわたしが言ってもまったく説得力がないが、社会に夫婦別姓、子供ごとに苗字が違うという状況が広がったら、大した問題じゃなくなるんじゃないかなと思う。大人は事情がよくわかっているし、子供には「両親には生まれたときの苗字があって、それをそのまま使っているだけなんだよ。あなたの苗字はどちらからとったんだよ」と説明すればいいだけのような気がする。その上で、子供がどちらかの苗字にしたいという自覚が芽生えたら、変えられるような制度にしておけばいいんじゃないかなと。

あるときTwitterで、旧姓で仕事をしているという女性が、「子供への影響はないんですか?」と同じく結婚されていて子供がいる女性に質問されていた。その方はおそらく5歳くらいのお嬢さんがいらっしゃるのだが、「子供にはお母さんには結婚前の名前があって、それを仕事で使っていると説明してます。子供もうっすらわかってるみたい」と答えられていた。


よくある言い分④ 一部の人が必要としている制度のために、法律を変える必要なんてあるの?


これも新鮮だった。先進国はマイノリティを受け入れて発展していくものだと思い込んでいたからだ。利便性(?)や多数派の主義主張のために(?なのかな、よくわからない)、マイノリティを切り捨てていい、ってそれこそ憲法で定められている基本的人権の尊重はどうなんだ(今回合憲って言われてたけどね!)。

あと、「法律を変えるのは大変だから、通称でも通る世間を作るのが先決」という意見もきたのだが、これは鶏と卵だと思う。そんな世間を作るのにはやっぱり法律が変わってくれないとめんどくさい、というのが苗字を変えなきゃいけないという社会的圧力の下に置かれることが多い、いち女性の意見である。


よくある言い分⑤ 名前だけで仕事してるのか?それこそ周囲に説明すればいいじゃん


以前、「結婚して名前が変わったと言ったら、まわりはみんな祝福してくれた。不便を感じません。だから夫婦別姓はいらない」というある女性政治家の主張を見たとき、絶望を覚えた。いや、結婚した、って報告したらふつう祝福するでしょう…

もちろんできる範囲の周囲には説明している、というか、通称は旧姓だけど、公的書類は新姓です、とあらゆる場面で説明せざるを得ない。が、結婚したときはいいけど、不幸にも離婚することになったらまたもや説明しないといけない。そのとき自分がいやな思いをするのはもちろん、周囲の人だって、ちょっと申し訳ない気分になるんじゃないだろうか。離婚に至るまでの決断は当人にはつらいものだし、それを無神経にほじくり返すようなことするの、気まずい。

ここで、「離婚を前提にするなんて家族の絆を考えてなくてけしからん」という声が聞こえてきましたが、上にも書いたとおり、離婚したくて結婚する人なんていないし、離婚には相応の理由がある。そのときのダメージを減らすように法整備をすることは意味があることなんじゃないだろうか。(そもそも結婚でももろもろの事務処理とかのダメージがあるわけだが…)


よくある言い分⑥ 本人確認に支障が出る。犯罪捜査とかどうするの?


マイナンバー&戸籍謄本があるじゃないですかー☆ 苗字が同じだからというのは確かに一定の歯止めにはなるけど、現状でもサトウとかスズキとかたくさんいる苗字の場合はどうなんだ、という気がしないでもない。あと犯罪捜査については、日本の警察と最新の科学捜査はそんなにザルじゃないと信じている。

ちなみにわたし、パスポートは旧姓表記をしていて基本的に日常では旧姓を使っているんだけど、日系の飛行機に乗ると、隣に座っている夫と予約時の苗字が違うので、「ご一緒じゃないですよね?」とよく言われる。これ自体は大したことではないけど、こういう「思い込み」も、「別姓の夫婦がいる」という認識が広がればなくなっていくと思う。


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結婚して相手の名前になることに幸せを覚える人がいるのも確かだし、そういう人はそういう道をこれからも選べばいいと思う。だからこそ「選択できるようにしよう!」と言っているわけである。

最高裁は「国会で議論してね」と言ったわけだけど、今の超保守な国会じゃ無理だろうな…と未来を悲観してしまう。しかし、「保守」って、過去を守って、未来はどうするつもりなんだろうね。いつも疑問だ。

渋谷区あたりが「夫婦別姓証明書」を出してくれたりしないかな、と希望の光をむりやり見出して生きていきたい。



追記1:
友人のアメリカ人、カナダ人女子にこのニュースを送ったら、
「はあ?なんで?」
「(アメリカ人女子がこの記事を見つけて)保守派が家族の絆が壊れるって言ってるらしいよ…」
とドン引きされました。

追記2:
さらにこのニュースを見かけた友人のスペイン人女子からは「大丈夫!将来はきっとよくなるから元気出して!」となぐさめられました。スペインの双方の苗字をくっつけて使う方式いいよなあ。あれもお父さん方のやつが残っていくシステムだけど、まったく消えちゃうよりずっとましよねえ。

2015-10-12

Nintendo World Storeのスプラトゥーン展!

※今日のブログはいつにもまして読者のみなさん置いてけぼり感がありますのでご注意ください。

任天堂のスプラトゥーン、5月末の発売日に入手してからずっとやっている。そのわりには全然上手にならないし、いまだにガチマッチ(知らない人のために書いておくと、ガチな人が集まるやっつけあいのルール。色を塗り合うだけのルールもある)は怖くてほとんど入れない。だって下手だと「地雷」とか呼ばれるんだよー。こわいじゃーん。ただただ塗るのはたのしい。けど、やっつけられると悲しい。

このゲーム、とにかくアートワークが優れている。キャラクターはかわいいけど媚びすぎてない。色を塗ったり攻撃するためのブキだったり、洋服とか靴のギアもおしゃれだし、ついでに言うと音楽もとってもスタイリッシュ。そんなスプラトゥーンのアートワーク展がニューヨークのNintendo World Storeでやっているというので、さっそく行ってみた。

店舗2階の湾岸戦争を生き延びたゲームボーイとかが飾られている一角にコーナー発見!

スプラトゥーンはイカが主人公なのだが、その起源はお豆腐で(!)、さらにそのあとウサギになったそうである。で、そのウサギのデザイン。…か、かわいい。このまま何かに使えそうなクオリティの高さ!かなり最初の段階で現在のデザインのアイディアが出ていたんだなあということがわかる。(タヌキとかキツネ)

こちらもウサちゃんデザイン。か、かわいい…。ウサギ好きとしてはたまらない。左下はあるステージを思わせる絵である。

次のコーナーでイカが登場。う、おしゃれ感あるけど、あんまりかわいくない。。。右下はなんか見たことあるキャラクターに似ている。


続いてキャラクターの原画に!きゃああああージャッジくんかわいい!!!まんなかの数字にはさまれているやつ、アイディア段階では結果発表はこんな感じにする予定だったんだろうか。



メインキャラクター男女の絵。これを見てわたしは「絵…うまいね」という当たり前すぎる感想をこぼしてしまった。この他にもこのデザインに至るまでの紆余曲折が展示してあって(写真撮り忘れた…)、なんというか、プロってすごい、とこれまた当たり前すぎる感想を抱いたのであった。

ゲーム内のアイドルグループ、シオカラーズのラフ絵もあった。アタリちゃん(左)だけだったけども。

これはパッケージの案だそう。これがこうなりました。↓



amiiboの原型も!

こんなオサレな絵がたくさん並ぶ中、異彩を放っていたのがこの魚拓ならぬイカ拓。きちんと横に「イカ拓とは」という説明が書いてある。

さてこのコーナー、アイディア画がこれでもか!というくらい置いてある中に、関係する「社長が訊く」のエピソードも展示されている。Iwataという文字を見るだけで泣ける…このゲームに携わった人たちの思いが絵や「社長が訊く」の抜粋からひしひしと伝わってきて、この記事を書くに至ったのである。

で、ついでにスプラトゥーンのTシャツとかないかなーと思ったのだが、これともうひとつ、子供用のピンクのイカがプリントされたものしかなかった。うーん、タコ派としては買うべきだったか?でもどうせならガチホワイトがほしいし…

ともあれもうちょっと上手になりたいので今日も練習、練習!

2015-10-04

連載終了した漫画もまとめてみる

先週、気づいたらKindle本が788冊になっていたので読んでいる連載中の漫画をまとめたところ、友人から、「連載終了した漫画もまとめて」というリクエストがあったので、さっそくまとめてみる。

しかし、先週788冊って言ってたのに、今見たら、825冊になっている。ああ、「○巻まで無料」やら、角川セールやら、本当に恐ろしい。ということではじめまーす。全部読んだけどうーん…ってやつは除いてみた。

◆ ◆ ◆

■荒川弘
・鋼の錬金術師

世の中ではやっていたのはきっと10年以上前なんだろうけど、今更読んで感動した。舞台は産業革命くらいのイギリス?少年漫画のテンポのよさと爽快さをあわせもちながら、わくわくする冒険の中にいろいろな形の愛情の話が出てきて泣ける。

■池辺葵
・縫い裁つ人

祖母から受け継いだ小さな町の洋裁屋さんを切り盛りする女性が、洋服作りを通して町の人の人生に触れていく。こういうところがあって、のんびりした時間が流れていたらいいなーと思うくらい、現実離れしているような。影響されやすいわたしは、こういうのを見るとすぐに洋服を作ってほしくなってしまう。ちょっとラブ要素もありますぜ。

■清水玲子
・秘密-トップ・シークレット-

脳の中の映像を再生できるスキャナーが開発され、警察庁の特別チームがその技術を駆使して凶悪事件の解決を目指す…というSF。超絶頭の切れる薪に新人の青木がくっついて事件を解決していくんだけど、とにかく伏線がすごい。映画化も決まってるみたいですな。ちょっとスプラッタな場面もあるので苦手な方は気をつけてー。

■東村アキコ
・かくかくしかじか

東村さんの自伝。美大への入学を目指して師事した先生との交流を中心に、高校時代から漫画化になるまでの話が描かれている。あまりにも赤裸々というか、思い出したくもないような思い出を明かす作者の勇気に脱帽。しかし、若いころの根拠のない自信って、どこから来るんでしょうね…と読後に泣きながら赤面してしまったわたし。それが若さなのかな。ということで、若者の失敗やら無礼を許せる大人になりたいと思った。

・ママはテンパリスト

ひとことで言えば育児漫画なんだけど、本当におもしろい。子育てってもちろん楽しいことばかりじゃないだろうけど、大変なことをおもしろさに昇華させている。これも「かくかくしかじか」同様、作者が私生活を隠さずにがっつりさらけ出してるところがすごい。勇気いるよねえ…

■森永あい
・山田太郎ものがたり

だいぶ古い&紙で持ってるのにKindleで買ってしまった…ドラマにもなっていたので知っている人もたくさんいるかもしれないけど、容姿端麗、頭脳明晰な名門私立高校に通う主人公が実は超貧乏という話。「みんなにいつ貧乏だってばれちゃうんだ!」とひやひやしつつ、思い込みの激しい人ばっかり出てきてとにかく笑える。

・キララの星

有名な女優と、そのマネージャーの間に生まれた主人公の女子高生が、ひょんなことから父が始めた芸能事務所を立て直すことに。超地味なクラスメイトの男子がメガネを取るとものすごいイケメンだったので、巨額の借金を返すために事務所にスカウト、芸能界で注目されていく…という書いてみるとものすごいこてこて少女漫画なんだけど、ギャグがやっぱり笑える。が!終わり方が唐突でかなしい…もっと読みたかったなー。

■大和和紀
・あさきゆめみし

もう説明不要だろうけど、源氏物語のコミカライズ版ですよ!源氏物語大好きだったわたしが大人になるまで触れなかったのが不思議だ。あまたの女性たちの言葉は現代人にも響くものあり。しかしほんとに光源氏ってどうしようもないよなあって思うんだけど、どこかに同情の余地があるんだろうか。それとも「ただしイケメンに限る」的な教訓なんですかね…?

◆ ◆ ◆

以上!今回はちょっと厳しめにKindleで持っているものの中からおすすめを選んだのでかなり数が少なめだった。でも何か忘れていそうな気がするし、今後もきっとKindle本は増殖するだろうから、随時更新ということにしておきたい。