2019-04-05

不妊治療と養子の費用を比べてみる 〜不妊治療か、養子かを考える〜

はじめに注意書き。養子を迎えるまでにかかるお金は誰かが利益を上げるためのものではなく、実親さんや子どもを支援するための実費だ(法律で決められている)。

なので、自由診療で病院に利益が出る不妊治療にかかるお金と比べることにはちょっと抵抗があるが、「自分のお財布」から出ていくという意味では違いがないので、比較をしてみたい。

ちなみに我が家は、「どうせお金を使うなら、不妊治療よりも、困っている実親さんや子どもを助ける方に使いたいよね」という点で夫婦の意見が一致していた。…のに、後述するようになぜか不妊治療もしてしまったので、その経験を書きたい。

養子を迎えるまでにかかるお金

以下の記事にいろいろな団体の費用が載っているが、だいたい数十万円〜300万円弱くらいである。ということで、間を取って200万円を目安にしたい。

養子縁組の基礎知識、児童相談所と民間事業者の違いとは?(マネープラス)


不妊治療にかかるお金

今度は200万円でできる不妊治療の内容を考えてみよう。ぐぐって1番最初に出てきた、この病院の費用でざっくり計算してみた。

すると、だいたい、人工授精5回、採卵〜顕微授精のセット4回くらいで200万円くらいになりそうだ。ただし、途中の検査や注射の費用は入っていない。あと、めでたく妊娠したら、これに分娩費用がかかるので、プラス50万円〜80万円くらいである。

我が家の場合

前回も書いたが、わたしたち夫婦は養子がいいなと思っていたのに、「養子の倍率は数十倍」という記事を見かけてしまい(この記事が見つからない…)、
養子が数十倍だったら、子どもが来る可能性が1桁%だよね? だったら、30代中盤で妊娠する確率は50%くらいだから、その方が子どもを育てられる確率が上がるのでは?」

と小賢しいわたしが考えて、1年ちょっと不妊治療をした。かなり効率的(?)に治療をして、やめるまでの支出が約100万円だった。

不妊治療を始めるときに、「年齢、経済的に養子を迎えるための余力を残しておくため、不妊治療は高度な治療を1回だけにする」と決めていた。しかし、いざ、採卵をして、受精して、胚盤胞ができて、産院を決めて…となると、期待してしまうのである。採卵数や、胚盤胞のランクをいちいちぐぐって、自分が妊娠・出産する確率はどのくらいなんだろうと確認し、ここまで使ったお金と時間への執着や、怖さもあって、悪いことは考えられなくなっていった。

結局最初の試行で稽留流産してしまったのだが、「1回だけ」という決まりがあったにも関わらず、流産直後に「まだ凍結胚があるから次どうしよう」と夫に相談した。そのとき夫が、「今は冷静になれないから、ちょっと落ち着こう」と言ってくれて、気がついたら養子がいるのが今の状況である。

まとめ 

ということで、冷静なうちにリミットを決めておくのはとても大事だと思うわけである。そして、養子を迎えるという選択肢を残しておくためには、リミットを決めるときにポイントになるのが、

・不妊治療にかけるお金
・不妊治療を終わりにする年齢

の2点だと考えている。

2019-04-03

「産みたいかな?」のチェックリスト 〜不妊治療か、養子かを考える〜





前回突然描いてみた、不妊治療か、養子かを考えるフローチャート。最初の判断ボックス、『「出産」したい?』についてちょっと考えてみたい。

最近、厚労省が力を入れているので、特別養子縁組についての記事や特集をよく見る。その中でよく出てくるのが、「産みたいのか、育てたいのか?」という問いだ。

産みたいのですか、育てたいのですか?――特別養子縁組で親になるという選択(ハフィントンポスト)

この問い、なかなか具体的に考えるのが難しいかもしれない。ということで、産みたいのか、育てたいのか、明確にする手助けになるチェックリストを作ってみた。

【産みたいかな?チェックリスト】

(1) 出産という体験をしてみたい
 →妊娠や、つわり、陣痛、分娩を経験してみたいという場合。女性同士だと妊娠期間の話で盛り上がることもあるので、経験した上でその会話に参加したいとかも。

(2) 生物学的につながりがある子どもがいい
 →自分(と相手)の遺伝子を継いでいてほしいと思うなら、産むしかない。代理母もここに含む。

(3) 養子にまつわる困難に耐えられそうにない
 →以前も書いたが、養子は「普通の家庭」からはやってこない。養親になるには法律で決められた研修を受ける必要があるし、出産よりも費用がかかる場合もある。


ここで重要なのは、産む人の意思だ。「パートナーが子どもをほしいと言っている」とか、「親戚がうるさい」とか、子ども関連は周囲の要望やら騒音が激しい場合が多い(わたしも夫の実家(九州)とバトルを繰り広げた…)。そうだとしても、そのうざったさと、上記の3点を自分の胸に問いかけて、自分の意思として判断ができたら何よりだ。

ちなみにわたしは(1)、(2)にはまったくこだわりがなく、(3)に至ってはむしろ燃えるタイプだったのだが、「特別養子縁組の競争率は数十倍」という記事をどこかで読んでしまい、ちょっと遠回りしてしまった。その辺の話は別の機会に。