2014-07-06

『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』ブロードウェイリバイバルがめちゃくちゃ良かった!

独立記念日の花火は華麗にスルーして、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(Hedwig and the Angry Inch)』を観に行った。
ちなみにこのミュージカルは今年のトニー賞で、リバイバルミュージカル部門、主演ミュージカル男優部門、主演ミュージカル女優部門、照明部門の4つで最優秀賞に輝いている。

トニー賞以外にもたくさん受賞しているようだ。

会場はブロードウェイのBelasco Theatre。外装も素敵だけど、内装もかなり素敵。

柱の上がステンドグラスつきのライトっぽくなっている。天井にもこんなライトがたくさん。ちょこっと調べたところ、ティファニーグラスというものらしく、1900年代初頭にはやったものだそうだ。

土曜日の22時からの回だったが、もちろん満席。休憩なしで約2時間通しのショーである。
ちょっと奮発して2階席Mezzanineの一番前のど真ん中の席を買ってしまった。180ドルくらい。同僚いわく、トニー賞受賞後、チケットの価格が倍になってしまったとのこと。ううう、早く行けばよかったけどオペラ座の怪人にはまってたので(過去記事)これは仕方あるまい。当たり前だけど舞台がばっちり見えてすばらしい。

撮影禁止だったので舞台の写真はないのだけど、限られたスペースの中に仕掛けられたもろもろがすごい。この劇場に限らず、ブロードウェイの劇場や舞台は、日本の劇場に比べたら驚くほど小さくて最初見たときは驚いたものだが、その制約の中で場面を表現する手法は磨き抜かれている。「Origin of Love」のときの映像と演技の融合はそう来るか!という感じだった。

主演でトニー賞の主演男優賞に輝いたニール・パトリック・ハリスだが、『Glee』とか『ママと恋に落ちるまで(How I Met Your Mother)』といった最近のドラマにも出ていたそうなのだが、『天才少年ドギー・ハウザー(Doogie Howser, M.D.)』のドギーと言われて「うおーー!」となったミドサーのわたしである。

彼の歌はもちろん、演技もなんだか目が離せない。ともすれば下品なしぐさもどこかかわいく見えてしまう、絶妙なバランス。首を傾げる仕草は観客の中に真似をする人が出てくるくらいだった。
あとスタイルいい。腹筋と脚がめっちゃきれい。ヘドウィグを演じるために20ポンド(9キロ)痩せたらしい。
時事ネタ、ブロードウェイネタを盛り込んだトークは軽快で、話で人をひきつけるスナックのおばちゃんっぽさがあって憎めないし面白い。しかし、笑いのツボがわからないところもたくさんあったのでちょっと悔しい。笑いには文化背景への深い理解が必要だなあと再確認。

トニー賞でのパフォーマンスがあったので置いておこう。
これでもかなり楽しいショーなのだが、生で見るとさらにすごい!1階の前の席だと、口に含んだ水を飛ばされたり、キスされたりという経験ができるかもしれない。(たぶん男性限定)
ちなみにニールさんはゲイだということを公表している。
こういうショーがショーの域を超えて、LGBTといった性的マイノリティーの受容につながればいいなあと思う。
彼のヘドウィグは8月17日までとのことなので、気になっている方はお早めにどうぞ。
イツハク役のリナ・ホールも必見である。かっこいいし、声がきれいだし、最後の場面の変身っぷりがまた素敵。

このキャストの音源も販売中。もちろん買ってしまった…


8月中旬に降板するニールさんの後任は『Book of Mormon』で主演したアンドリュー・ランネルさんということで、これもまた気になる…
Andrew Rannells Will Replace Neil Patrick Harris in Broadway’s Hedwig and the Angry Inch(TIME)

ブロードウェイ沼、深い!!


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(2014/8/13 追記)

「Glamour」という雑誌のサイトに、ニールさんのインタビューが載っていたので貼っておきます。
最初ハイヒールを履くのは変なかんじだったけど、だんだん妙な力が湧いてきたとか。

Neil Patrick Harris Shares His Secrets of Work, Love, and Living by Your Own Rules(Glamour)